甘ったるい彼等④【短編集】(雪男) (ページ13)

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大介 side

２人の家に帰宅して、一緒に夕飯の準備をして
今年初だー！と鍋を囲みながらの今。

『あのお店よく行くの？』

「ううん、はじめて」

『そっか』

「うん。あんなところで会うなんてほんとびっくりした」

『んね！運命じゃ～ん』

そうかもねと笑うAはいつも通りなんだけど、なんて言うか、、こう、言葉にするには難しいんだけどいつもちょっと違うというか、空気感が違う？みたいな。

いや……
俺の胸に引っ掛かってんのはあの店員なのかな。

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食後のデザートに柿を剥いてくれたAが、お皿と一緒に持ってきたショッパーを見てまた胸がザラつく。

「大ちゃん、コレどうぞ」

『へ？！え、なんか記念日だっけ？！？』

「忘れちゃったの…？」

わわわ、やばい！！店員どうこう思ってる場合じゃねぇじゃん！
と目を白黒させる俺を見てぷっと吹き出すA

「ないよ、ないない。記念日なんて無い(笑)
　まぁ強いて言うならピアス記念、かな」

『ねぇーほんとにびびったぁ…』

「ごめんね？(笑)」

『笑いごとじゃないよぉ。え、じゃあコレ』

「うん、ピアス。ホールが安定したら付けて欲しいなって」

『えー！めっちゃ嬉しい！開けてい？』

「どーぞ？」

ショッパーの中から箱を取り出すと同時にヒラリとテーブルに
落ちる何か

２人してその行方を目で追っていると、ハッとしたAが手を伸ばしてそれを掴んだ。

『なに？それ』

「…いや、レシートかな？捨てとく、ごめんね」

『違うっしょ。見せて？』

明らかにレシートではない、しっかりとした固さの紙

『見せて』

ぎゅっと手のひらで握り隠すから俺も意地になる
見たって良いことないって、分かってんのにな。

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