甘ったるい彼等②【短編集】(雪男) (ページ23)

今日:19 hit、昨日:321 hit、合計:201,637 hit

【🖤】if ページ23

甘ったるい彼等【短編集】[雪男]
続【🖤】先の幸せ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

you side

「ただいまぁ」

返事が返ってこないのは分かっているけど習慣で帰宅を知らせる

手洗いとメイクオフを済ませてリビングに入ると＜おかえり！＞と嬉しそうにゲージの中で立っているモコ。しばらくじゃれてご飯を出してあげると嬉しそうに食べ始めた

もう21時前
時間の融通を考えて、病棟看護師から美容看護師に転職したものの新しく覚えることも多く、毎日クタクタで

自分もご飯を食べないとと思いつつも、一度ソファーに横になってしまうと睡魔が襲ってきてしまい、ご飯は諦めよう…と目を瞑ればあっという間に夢に落ちた

.

人が動く気配がして薄く目を開けると、蓮が髪の毛を拭きながら部屋に入ってくるところだった

そのままボーッと見つめていると、冷蔵庫から水を取り出す流れで目が合う

『あ、起きた？』

「ん…ごめん、帰ったの気が付かなかった」

『いいよ、大丈夫』

「ご飯食べた？」

『うん、作り置きの。食べて良かったよね？』

「大丈夫、ごめんね、、」

『いいって。そのまま寝たらしんどいよ？お風呂入っておいで』

少し甘えて両手を伸ばせば優しく引き上げてキスをしてくれるから、嬉しくて抱きつくと、そのまま抱え上げてお風呂場に連れてってくれた

『ゆっくり入んなよ』と声を掛けてくれた蓮にお礼を言い、湯船に浸かりながら考える

ここ最近の眠気が異常なのはきっと彼も気付いてる
確かに疲れてはいる。
でもそれだけではない程寝ても寝ても眠くて、一度眠ってしまうと人が近くで動いても起きれないほど深く寝入ってしまうのだ

食欲不振に身体の怠さ、諸々の症状を踏まえて考えると一つ当てはまってしまうものがあって。
受診して確かめないといけないと思いつつも、気のせいだと思いたい自分も居て、ずるずるとここまできてしまった

「はぁ…」
小さく吐いた息は、湯気と共に換気扇に吸い込まれていった

.

|→←|