甘ったるい彼等②【短編集】(雪男) (ページ22)

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康二 side

長距離のドライブなんて俺たちが付き合ってから初めてで、俺もAもめっちゃ楽しみにしてたのに、こんなちっちゃなことで冷静でいられなくなる自分に腹が立つ。

『俺さ、いっつもAの昔に嫉妬してるねん…
　なんでもっと早く出会われへんかったんやろとか
　こんな風に慣らした奴が憎くて羨ましくてたまらんとか
　ほんまに格好悪い…』

Aの視線から逃げるようにハンドルに伏せると、ふわりと頭を撫でられる

「そんなの私もだよ
　康二に大切にしてもらった女の子、全員が敵。
　お気に入りのカメラで撮ってもらったのかな？
　こーやってヤキモチやいてもらったのかな？
　甘えん坊も格好いいのも全部見せてきたんだろうなって
　ほんと気が狂うほど妬けるの」

いつも明るくて、嫉妬なんて暗い感情を持たないようなAからの告白に胸が跳ねた

「でもね、康二の過去なんてそうそう思い出さないんだ」
ケラケラと明るい声に顔を上げると満面の笑みのA
　

　
「だって今の康二の一番は私でしょ？」

『…当たり前やん』

「だから思い出さない
　一番だぁって実感させてもらってるし
　私にとっての一番も康二だけだから」

こんなに可愛くてたまらんのに、内面格好良すぎん…？

「それに、これからは康二だけだから。色んなこと教えて？
　今日はほんとにごめんね」

ここまで可愛いこと言われてノーと言えるならそれはもう男じゃない

『ちょっともー、、
　Aカッコ良すぎ、俺が彼女になってまうわ』

「康二の嫉妬可愛いから彼女でもいけるかも」

『いや、そこは彼氏でおらしてや！』

あぁ愛しい。
もし離れてしまっても、他の奴ではもの足りひんくらいに染め上げたるから覚悟して

Fin.