甘ったるい彼等②【短編集】(雪男) (ページ15)

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辰哉 side

帰宅してリビングに入ると、鼻歌交じりにキッチンに立ってるA

『ただいま』

「おかえりぃ」

『なぁに？ご機嫌だね？』

「んふふ、あとで話す
　早く手洗ってきて？」

ほっぺにちゅーまでしてくれて、何だか知らないけどとってもご機嫌なご様子

「いただきまーす！」

食卓に並ぶメニューは俺の好物ばかりで、どう？と目で聞いてくるから『めちゃくちゃ美味い』と答えれば花が咲いたように笑う

え、、待って、今日なんかの記念日だったりする…？

食べながら必死で頭を働かすけど、思い出せなくて不安になってきた

そんな俺の気を知ってか知らずか、デザートにケーキまで出してくれちゃって、さすがに白状するしかないと嬉しそうにケーキをつつくAに『あのさ、、俺忘れちゃってる？』と切り出すと、何が？という顔をするから余計分からなくなる

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