| ページ18
you side
出発する直前まで緊張でお腹が痛かったけど、大きな車でお迎えに来てくださったご両親はとても温かい人たちで、宮舘家の会話に参加させてもらっている内に、いつしか緊張は解れていた。
.
お父さんと涼太が海へと繰り出すのを、パラソルの下で眺める。
4人では楽しくお話しできるようになったものの、２人となるとまた少し違う緊張感が漂ってソワソワする。
「あ、コケた」
＜どんくさいなぁ(笑)＞
会話…話題…とぐるぐるしていると、そのタイミングで砂に足を取られた涼太が派手に転んで、遠くでお父さんと２人大笑いし始めて
少しほぐれた空気の中、先に話し出してくれたのはお母さんだった。
＜涼太は迷惑かけてない？＞
「ぁ、いえ、本当に良くしてくれてます！優しくて温かくて、大切にしてくれていつも助けられてます。ありがとうございます！」
緊張からぶぁーーっと話してしまうと、一瞬ポカンとしたお母さんが＜ふはは！＞と豪快に笑って頭を撫でてくれる
＜ありがとうはこっちの台詞よ？これからも涼太をよろしくね＞
「はいっ！もちろん、こちらこそです！」
＜はぁ、ほんと可愛いわねAちゃん。
そりゃ涼太が会わせたがるはずだわ＞
「…え？」
＜会って欲しい人がいるって、同棲始めたときくらいからかな？
よく言うようになっててね。私たちはいつでもいいって思ってたんだけど、やっぱり相手の親に会うのって緊張するじゃない？
だから、あんたがAちゃんのご両親にしっかりと未来のことも踏まえて挨拶できる覚悟が出来たなら、こちらに連れてきなさいって話してたの。うちはほら、男だし、捨てられても何でも構わないんだけどさ、女の子のご両親はきっと違うから。
私たちも会えるのすごく楽しみにしてたから、涼太が腹括ったおかげで、こうして会うことが出来て本当に嬉しい。
あの子の仕事上、いつになるか分かんないけど
よかったらAちゃんが愛想尽かすまで側に居てやって？＞
「…っはい」
そんなことを考えてくれてたなんて知らなかった…
今日が、涼太の覚悟の日だったってなんて。
だったらもっと強引に誘ってくれたらよかったのに、いつも通り私を優先して逃げ道を用意してくれたのが涼太らしくて涙が出てくる。
『ぇ……ちょっとなに！何で泣かしてるわけ？』
サーフボード片手に戻ってきた２人が私達を見て狼狽え、揃ってお母さんを睨むから慌てて止めに入った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 988人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Muu(プロフ) - tyaiさん» わぁ🥺コメントありがとうございます！！！気付くのもお返事も更新も遅くて申し訳ないです🙇♀️💦このコメントに胸がきゅんきゅんしましたので、早くpart４仕上げたいと思います(*｀･ω･)ゞ (10月2日 20時) (
レス) @page5 id: d860c86dd3 (このIDを非表示/違反報告)
tyai - 『よにんめ』大好きです！とっても癒され、きゅんきゅんしました、、。更新待ってます!!! (8月31日 20時) (レス) id: 4eebb26101 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Muu | 作成日時：2023年8月16日 12時
