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57.女子会の話 ページ10

「はぁッ!?頭ポンポンされたァ!?」

カフェに響く友達の大声。

「しーっ!声大きいから…っ」

口に人差し指をあてて彼女に注意する。

「い、いやいや…それもう確実に好きじゃん……」

「だからそーいうのじゃないよ…」

彼女に話したのは、誠士郎くんに頭を撫でられた時のこと。

「……誠士郎くんの行動の意味は、よく、わかんないんだけど…」

指を遊ばせながら、視線をキョロキョロとさせる。

「……誠士郎くんのことを考えるとね、なんか…胸がキュッとなるというか…」

自分の中の知らない気持ちを頑張って言語化して友達に伝えていく。
友達はそんな私をニヤニヤと見つめていた。

「はは〜ん?も〜う!両思いじゃ〜ん!!」

「りょ、両思い…!?」

友達が言った言葉を繰り返す。
友達はウンウンと頷いて、ビシッと人差し指をたてた。

「もう告白するっきゃないでしょ!」

「こ、告白…!?…いや、だから、そんなんじゃないってば…」

「じゃあその誠士郎くんが他の女の子といるところ想像してみてよ」

友達が言った通りに想像してみる。

誠士郎くんが私以外の女の子と一緒に……。
誠士郎くんが私以外の女の子に笑いかけて……。

「…………………………モヤモヤ、する」

自分の知らない気持ちを小さな声で呟く。
そんな私の言葉を聞いて友達は更に顔をニヤニヤとさせた。

「ほら〜!誠士郎くんの隣は自分だけ〜!ってならない?」

「うっ…」

認めたくないけど、図星だ。
……私、誠士郎くんのことが好きなの?
確かに誠士郎くんと一緒にいると、甘い気持ちになって…。居心地も良くて…。

「……好き、なのかも」

それにこんな気持ちは凛や冴の隣では感じない。

「ふふっ!やっと、ブラコンのAにも彼氏が出来たか〜!」

「ブラコンってなによ…」

友達は机に肘をついて「別に〜?」と口を開く。

「てかさ、てかさ!告白するならとっておきのイベントがあるんだけど!」

そう言って友達はスマホの画面を操作する。

「夏祭りあるの!誠士郎くん誘って行ってみたら?」

スマホの画面に写っている花火のイラスト。
私は「うーん…」と唸り声をあげる。

「誠士郎くん、来てくれるかなぁ…」

「来てくれるでしょ!ここまできたら!」

なんで友達がこんなに自信満々なのかわかんないけど…。
誘ってみる価値はあるかもしれない。

「……わか、った。誘ってみる」

「やった!結婚報告待ってるよ!」

「何言ってんの……」

58.夏祭りの話→←56.愛を求める話



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(プロフ) - めんちさん» めんちさん、コメントありがとうございます!私もまだまだですので、一緒に頑張りましょ!💪 (6月26日 20時) (レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
めんち - めっちゃ面白いです!私も夢小説かいてるんですけど国語力なさすぎるので湊様みたいに楽しいお話つくりたいです (6月26日 14時) (レス) id: 05dd0f2a4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年6月26日 9時

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