54.好きなタイプを知られる話 ページ7
場面は変わって玲王さんおすすめのカフェ。
気持ちを落ち着けようとぐるりと店内を見回す。
「…あ、そうだ。俺、糸師さんに言いたいことがあって」
ぐるぐると周りを見回して緊張している私に気を使ってか、玲王さんは私に話を降ってくれた。
「俺のことは玲王さん、じゃなくて玲王でいいですよ」
「…そう？なら、玲王くんって呼ばせてもらおうかな」
「はい！俺も糸師さんじゃなくて、Aさんって呼んでもいいですか？」
「うん。いいよ」
玲王くんっていい子だなぁ。明るくて、話しやすくて……。
私の周りにいるのは口下手な人ばかりだからなぁ。
「俺、Aさんのこともっと知りたいです！」
「私のこと？」
「はい！」
そう言ってニコニコ笑う玲王くん。
「うん。いいよ」
「！なら、早速質問してもいいですか？」
「うん。どうぞ」
ドキドキしながら、玲王くんの言葉を待っていると玲王くんはその大きな口を開いて言った。
「Aさんの好きなタイプが知りたいです！」
「好きなタイプ？…うーん、そうだなあ…」
顎に指を添えて「むむむ…」と考える。
「好きなタイプかぁ…。うーん…強いて言うなら…」
苦笑いする私を真剣な瞳で見つめる玲王くんと誠士郎くん。そんなに期待されても…。
「……私のお世話が出来る人、かな」
「……お世話？」
少し沈黙が落ちて、玲王くんが聞き返してくる。
私は玲王くんの言葉に頷いて話を続けた。
「うん。知っての通り私、冴と…もう一人、弟がいるんだけどね。一番上のお姉ちゃんだからか、あんまり甘えたり…したことなくて」
「だから、結婚とかしたら相手の方に甘えたくて」
話しているうちに少し恥ずかしくなって、最後は早口になってしまった。
恐る恐る上を向いてみると、ふたりは目をパチクリとさせて私を見つめていた。
「そ、そうなんですね」
「お世話できる人…」
玲王くんと誠士郎くんがそれぞれ私の言葉に反応する。
すると、誠士郎くんが急に手を挙げた。
「ねぇねぇ、A。俺もAのお世話できるよ」
自信満々そうに胸を張って言う誠士郎くん。
私は「ぷっ」と吹き出す。
「それはないでしょ？誠士郎くんにいつもオムライス食べさせてるの誰だと思ってるの」
「凪、お前Aさんに食べさせてもらってるのかよ…」
誠士郎くんを引いた目で見つめる玲王くんと玲王くんから目を逸らす誠士郎くん。
「…ふふっ」
相変わらず仲がいいふたりについ笑いを漏らしてしまった。
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湊(プロフ) - めんちさん» めんちさん、コメントありがとうございます！私もまだまだですので、一緒に頑張りましょ！💪 (6月26日 20時) (
レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
めんち - めっちゃ面白いです！私も夢小説かいてるんですけど国語力なさすぎるので湊様みたいに楽しいお話つくりたいです (6月26日 14時) (レス) id: 05dd0f2a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊 | 作成日時：2023年6月26日 9時
