72.糸師冴の話・前編 ページ25
スマホの画面に映る青い監獄へのたくさんの意見。
まぁ、大半は批判の声だけど。
「…世界一のストライカーをつくるために、299人の選手を犠牲に……」
残酷なプロジェクトだと思う。
このプロジェクトに、凛も――…。
「…心配、する権利もないし」
ボソリと呟いた言葉を誰も否定しない。心配してもいいなだなんて、甘ったるいこと誰も言ってくれない。
私が壊したんだから、その責任はとらないといけない。
凛とは、もう関わることも許されない――。
いつの間にか暗くなっていたスマホの画面をボーッと見つめる。
画面に反射して映る自分の顔が嫌でポイッとそこら辺にスマホを投げた。
ピロン
投げたと同時に、スマホから音が漏れる。
怠い身体を起こしてのそのそとスマホの元へ歩く。
放り投げたスマホを手に取ると、画面に映ったのは�犹綮� 冴�瓩諒源�。
「…冴」
そういえば、最近は連絡とってないや。
私の視線の先には、《今から飯いくぞ》という文字とともに送られてきたお店の位置情報。
一瞬、悩んだけど最近会ってなかったし。
そもそも冴が日本に帰ってきてたのなんて知らなかったし。
色々と話したいこともあるので、冴の提案にのることにした。
❁
「………冴、久しぶり」
「………ん」
店員さんに案内された一番奥の席。
中へとはいると、そこには私を呼び出した人物、糸師冴がいた。
「…………じゃあ、失礼します」
私が席へと着いたのを確認すると、冴は口を開いた。
「……A」
「……？なに？」
ターコイズブルーの瞳に私の不安気な顔がうつる。
それが嫌で咄嗟に冴から目を逸らした。
「………………凛と、なんかあったろ」
冴の言葉に目を見開く。
なんで、わかったの。冴とは最近連絡もとってない。
昔は凛の相談を一度だけしたことがあったけど、それ以来冴には凛のことを何も話していない。
「……なんで、わかったの…って言いたそうな顔だな」
冴の瞳からは目を逸らしたまま、「…だって、私冴には何も話してない」と呟く。
「…………俺もアイツと同じだから分かんだよ」
冴の言葉に首を傾げる。
アイツ…？今の話の流れから、凛のことだろうか。
…同じ………？
ま、さか。
背筋が凍る。
冴が口を開く。私を見つめる。
冴から目を逸らすことなんて出来ずに私も冴を見つめる。
同じターコイズブルーの瞳が交わったその瞬間、冴は力なく笑って――告げた。
「…好きだ。だから、俺を振ってくれ」
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湊(プロフ) - めんちさん» めんちさん、コメントありがとうございます！私もまだまだですので、一緒に頑張りましょ！💪 (6月26日 20時) (
レス) id: 8e39c25e39 (このIDを非表示/違反報告)
めんち - めっちゃ面白いです！私も夢小説かいてるんですけど国語力なさすぎるので湊様みたいに楽しいお話つくりたいです (6月26日 14時) (レス) id: 05dd0f2a4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湊 | 作成日時：2023年6月26日 9時
