【幽遊白書・遊戯王・弱虫ペダル】鈍感少女が愛される (ページ10)

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番外編後編ページ10

何となく恥ずかしさを隠すために、ソファに深く座った途端、大きな声が聴こえた。
「あー！Aだべー！」
まるで子犬のような仕草で、Aに抱き着く。
「うぉあ！陣ー…」
さっき風呂を上がったのか、いい匂いがする。
「あー、陣の髪の毛やわらかくてフサフサだぁー、癒される……」
「ん？オレの髪の毛か？」
「うん…、なんかいい匂いするしね…」
「オレはAの匂いの方が好きだっぺ♪」
彼が動物だったら、確実に尻尾を振っているような笑顔だ。
「ほんと？」
「オレ、嘘は付かないべ！」
「ふふ、ありがと」
「だっぺー♪」
Aは心の中で呟いた。
天使だ、と。
しかし、そこへ小悪魔が登場する。
「おい」
「ん…？
うぁー、テンカノワカサマ、どーしたのー？」
「なんだ。
その、うぁーという声は」
「いやぁ、気の所為だと思う」
Aは実の所、死々若丸が苦手である。
別に嫌いでは無いのだが……、天邪鬼過ぎて対応に困る時があるのだ。
「おい、陣」
「んだ？」
「Aから離れろ」
「なんでだべー？」
陣の表情は、まるで玩具を買ってもらえなかった子供のようだ。
「見苦しいからだ」
死々若丸は嫌味っぽく言い放つ。
「はぁー？！
そんなの理由になんないべ！」
「疲れた後にイチャつくな、気持ち悪い」
「んだとぉー！」
二人が睨み合う。
「え、あの、二人とも？」
「「う〜～～～～～！」」
Aがオロオロしていると……
「死々若！メッ！」
突然現れた鈴木が、死々若丸の着物の袖を強く握る。
「鈴木ー！助かったよー！」
「すまないな、ウチの死々若が」
「おい、いつから貴様のモノになった」
死々若丸の機嫌は悪くなるばかり。
一方で、陣はと言うと……
「Aーー！！！」
Aに抱きついていた。
「ぉおおおおお、天使よぉおおおお」
Aも嬉しそうに、頬を擦り寄せる。
「今回は死々若の負けだ、ほら、帰るぞ」
「貴様は俺の母親か！！」
鈴木がズルズルと死々若丸を引きずっていく。
「陣ー！」
「Aー！」
二人は暫くそのままでいましたとさー！