兄の様にはとても。【文スト】

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『中原さん、完了致しました。突撃可能です。』



「嗚呼、ご苦労だったな。」



無線で会話したのはポートマフィア幹部、中原中也。昔、と云っても数年前の話。



Aの兄と相棒としてタッグを組んでいたそうだ。なんて呼ばれていたか…？確か色の名前が入っていた気が…。



中原中也はAをよく可愛がってくれる良い先輩である。「手前はあいつとは違う」…あいつ、大体見当がついていることだろう。



数分もしないうちに数々の銃声が響く。



何の物音がしなくなった後、異能を解きこの戦場で亡くなった方へ手を合わせる。



『人って…なんて。』



ポツリと吐き出し、この場を後にした。



任務は無事完了。戦死者は後を絶たないがいつもより少なかった事に皆笑みを浮かべる。



Aには理解できなかった。いずれ理解できる日が来る、そう丸め込まれた。



犠牲が最小限であったとしても、犠牲は犠牲。死んでしまった事に変わりはないのだ。



かつて、兄はそんな事物ともせず、成功しか目に見えていなかった。Aはそう聞いている。



信じたくはないが、そういう人なら仕方がない。

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