Holy night with you ページ8
TKのノンリアルです。
クリスマスの18時。
まだまだケーキを買いに来る人はたくさんいるこの時間。
大体来るのは家族連れかカップルだから。
だから、つい。
一人で来店して、今日という日にケーキを一つしか買わない人なんて珍しくて少し見すぎてしまった。
あぁ、こんなに顔のいいやつでもクリスマスに一人なんだな、とビックリしてしまうほどには顔もスタイルもよかった。
女が放っておかないだろうに、よほど性格でも悪いのか。
自分自身この日に一緒に過ごす相手もおらず、友達に家の店の手伝いをしてくれないかと頼まれてこんな日にバイト。
そのせいか心がすさんでいたのもあって失礼なことを考えてしまう。
「…寂しいですよね、こんな日に一人でケーキなんて。」
困ったように笑いながら話し出したイケメンに多少驚きつつ返事をする。
「そんなこと無いですよ、俺も一人ですし。」
奥さまたちに好評な営業スマイルを顔に貼り付けて。
「え、そうなんですか？意外だな。」
イケメンにそう言われるのは悪くない。
機嫌がよくなった俺は今ニコニコな顔のはずだ。
「相手いたら今日バイトなんてしてないですよ。」
「確かに。」
「ふふ、あ、お持ち帰りの時間って─…」
「、あの！」
ケーキの箱に入れるドライアイスの数を決めるためにした質問をイケメンに遮られた。
「はい？」
「あの、もしなんですけど、俺が今ケーキを二個買ったら、一緒に食べてくれますか？」
……うん？
なんだって？？
…いいですよとでも言っといてケーキ二個買わせるか。
「んはは、なんですかそれ。まあ、俺でよければ？」
少しいたずらっぽく笑って答えてみる。
「じゃあ、俺が一個買うか二個買うか店員さんが決めてください。」
もしかしなくても俺はアタックされてるんだろうか。
うーん、すっぱり断ってもいいけどどうせ俺もバイトの後は暇だし。
ヤバイやつでもなさそうだし、イケメンと友達になれるって考えたらお得、かな？
「では、二個で。」
イケメンの選んでいたショートケーキをもうひとつ箱に入れてそれをまた袋に入れる。
「あの俺、それまで食べずに待ってます。」
袋を受け取ったイケメンのくしゃっと笑った顔が、、
「終わる頃にまた来ますねっ！」
照れた顔でそう言い残していった背中が、可愛いと感じるなんて！
……まだ恋だなんて認めねぇから！
.
いつぞやのキ○ブサが好きで！
クリスマスに間に合いませんでした…
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作者名：ひすい | 作成日時：2018年9月26日 18時
