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近づいてきて前に回り込んだ北山と目が合う。
藤ヶ谷じゃん！何してんの？と笑う北山に今の状況見えてねぇのかと悪態をつきたくなる。
胸ぐらつかまれてんだよ。
「先輩なんかあったの？」
先輩と呼ばれる男と北山は身長差があって必然的に北山が上目使いになる。
ぱっちりの目に見つめられた先輩がちょっと怒りを納めて事情を説明し始める。
不良も北山のぱっちりな目に弱いのか、と場違いに思っていると、
「先輩の彼女なら最近いろんな男に声かけてるのみるっすよ？藤ヶ谷もその一人じゃないんすかね。」
男の話を聞いた北山が言う。
俺も彼女さんにこないだ告白されたっすよ〜と呑気に笑う北山の話を聞いた男が俺の胸ぐらを放す。
どうやら怒りの矛先が彼女の方に向いたらしい。
「藤ヶ谷悪かったな。北山、一緒に来い。」
俺に謝りを入れて、彼女のもとに行くらしい男は北山を連れて歩き出した。
北山って本当に不良なんだなぁ、とじっと北山の後ろ姿を眺めていると急に振り返った北山が、
「藤ヶ谷！また明日な！」
と笑った。
ぎゅっと苦しくなった胸がもう認めるしかないんだと言ってくる。
北山から明日の約束がもらえたことに喜ぶ自分をもう誤魔化せないだろ。
「あー、みっちゃん連れてかれちゃった。」
実は北山と一緒にいたらしい渉が残念そうに言いながら俺の隣に並ぶ。
「…渉、春、やっぱ来てたわ。」
認めたよ自分の気持ちを。
だからこんなにも北山が気になったんだ。
いきなりでも俺の言葉の意味を渉はしっかり理解したみたいで。
「だろ？」
そう言いながらニヤニヤとこっちを見てきた。
俺に初めて来た春は唐突に現れて、俺の心を乱す嵐のような男だった。
とりあえず課題の内容はお前について書いてやる。
あれだけ悩んでいたのに今ならスラスラ書けそうだなと思う。
提出したら作戦を練ろうか、俺の春を捕まえるための作戦を。
渉も巻き込んでしまえ、俺の気持ちを知っているんだから。
まずは意識してもらえるよう頑張らないとな。
そう意気込んだ俺が北山と両思いだと知るのはもう少し後の話だ。
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やっぱり王道学パロは書いてみたくて。
北山さんに振り回される藤ヶ谷さんが好きなんです。
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作者名：ひすい | 作成日時：2018年9月26日 18時
