・ ページ3
.
詩の課題を出されてから三日目。
書き始めてみたはいいものの、いまだ内容は迷走中である
提出日は二日後。
間に合う気がしません先生。
今は絶賛授業サボり中。
成績は大事だけど、まあしょっちゅうサボってるわけでもないから大丈夫だろうと俺は信じている。
今日は晴れていて気持ちがいいから屋上で仰向けに寝て詩の内容を考え中だ。
考えているんだけど…全然思い付かない。
諦めてウトウトと眠気に身を任せたときに入口から音がした気がした。
誰か来たのか確認する気力もなくて目を閉じたままでいると、ふっと影ができた気がして重いまぶたを頑張って開けてみた。
目を開けた瞬間目の前にあったのは北山のどアップだった。
「…いや、近いわ！」
お互いちょっと見つめあったが俺が耐えきれずノリツッコミみたいなことをしてしまった。
「んはは、わりーわりー藤ヶ谷ノリツッコミとかできんだな！」
ハイスペックイケメンじゃんと笑う北山はすごい楽しそうで起こされてちょっとイラッとしていた気持ちも収まってしまった。
北山もサボりらしいのでしばらく二人で話していたけど授業の終わりのチャイムが聞こえた俺は戻ることにした。
元々一つしかサボるつもりなかったし。
詩の課題について一応北山に聞いてみたけど、なんの情報も得られなかったのでやっぱり渉に聞くことにして立ち上がった。
まだサボるらしい北山と別れて教室に戻ったあと、その日一日はもう北山に会うことはなかった。
昼に渉のところにいったけどいなかった。
別に会いたかった訳じゃないし、会う約束もしてなかったからいいんだけど。
「太輔にもついに春が来たかぁ。」
「は？今秋ですけど。」
渉がしみじみと言った言葉の意味なんて、わからない。
まだ、気付きたくない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひすい | 作成日時：2018年9月26日 18時
