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Aちゃんは少し驚いたように僕の顔を見た。
まだ何も僕のことを知らないのに家まで送るとか言われたら怖い、かな。
気持ち悪いと思われたのかもしれない。
Aちゃんが口を開くまでの時間が長く長く感じる。
『…いいの？』
少し眉を下げて僕の顔を覗き込むからドキリとしてしまった。
｢Aちゃんがいいなら全然送るよ。｣
『じゃあ、バイト先までいい？
バイト先に置き傘があるから。
ここから歩いて15分くらいの所なんだけど…』
15分、思ったよりも近いバイト先に少しガッカリする。
いや、家まで送るよと言いかけたのを飲み込んだ。
いいよとだけ答えれば安心したように笑った。
雨がすこし弱くなったのを見計らってお会計。
『だめ！払うよ！ホントに！！』
Aちゃんが財布を持つ僕の手を強く抑える。
｢いや、ホントに僕が払うから、｣
もうこのやり取りを2分ほどレジの前でしているんだけれど、待ってくれている店員さんは微笑ましそうに僕達を見るだけ。
結局Aちゃんが負けた。
さすがに払わせる訳にはいかないと、僕なりに頑張って説得させた。
Aちゃんは分かりやすく不満そうにしていたけれど、｢次は私が払うからね！｣その言葉に期待してもいいのかな？
どうやっても僕たち2人を雨から守るには小さい折り畳み傘。
『ほんとありがとうマクくん。』
すぐそこにあるAちゃんの頭から甘い匂いがする。
しっかりしろ自分、考えるな自分。
いい匂いだな、とか考えるな自分！！！
｢濡れてない？｣
『マクくんこそ濡れてない？もっとそっちに傘寄せていいからね？』
｢濡れてないよ大丈夫。｣
本当はもう右肩がびしょ濡れだけど、全然大丈夫。
『私ね、高校入学の時にコッチに来たの。
まぁお父さんの海外転勤が理由だったんだけどね。
でも今となっては言葉も文化も慣れたし、友達もいっぱいできたしもう日本に戻りたいとかは思わないかなぁ。』
傘に当たる雨の音とAちゃんの声。
雨を弾くふたつの足音。
Aちゃんの色んなことを知れた。
経済学部の仲良しの親友がユラちゃん。
実家で買ってる柴犬のタロウ。
バイト先は高校からずっと同じ居酒屋で働いていること。
趣味は雑貨集めで、特技は寝ること。
『マクくんは？趣味って何？』
至近距離で目が合う。
傘を持つ手に力が入ってしまう。
｢ギターかな。
それからラップも好き。｣
これはホント。
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ケロちゃん。(プロフ) - きょんさん» こちらこそありがとうございます🥹嬉しいです߹~߹ (2022年6月11日 22時) (
レス) @page19 id: 6e1f997a93 (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - 最高すぎます。もうにやにやとまりません！！こんな物語我得でしかないです！！ありがとうございます (2022年6月11日 15時) (レス) @page19 id: 6d9e8baccd (このIDを非表示/違反報告)
ケロちゃん。(プロフ) - alone99さん» 嬉しいコメントありがとうございます( ⸝⸝⸝ᵕ ̫ ᵕ⸝⸝⸝ ) (2022年6月3日 19時) (レス) id: 6e1f997a93 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - もうすでにめちゃめちゃ好きな雰囲気のイマク出てきそうでワクワクです！応援してます！ (2022年6月3日 17時) (レス) @page4 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ケロちゃん。 | 作成日時：2022年6月3日 0時
