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｢Aちゃんが一人で泣いてるのが気になって…。
だから、大丈夫。｣
全然現場は大丈夫じゃないだろうけど。
言っておいて恥ずかしくなって無意識に頭を掻く。
『ありがとう、マクくん。』
頬を赤らめてふわりと笑うその笑顔は何もかもを吹き飛ばしてくれるような感覚になる。
もう時が止まってしまえばいいのに。
何にも縛られない、何にも引き止められない世界に入れたら。
そんな事ばかりが頭をよぎってしまう。
でもマネヒョンの乗っているバンがチラリと視界に入って、一気に現実に引き戻された。
Aちゃんがなぜ泣いていたのかも分からず終いだな。
でもきっと、ソイツのせいだな。
その確信だけは揺らがなかった。
ここに1人で残しておきたくないのに、時間は容赦なく進んでいく。
｢Aちゃん、ちゃんと家まで送ってあげたいところだけど、仕事があって…。｣
言いたくないのに。こんなこと。
なのにAちゃんは今日1番の笑顔で言うんだ。
『…ううん、大丈夫。
お仕事中なのに来てくれてありがとう。』
あまりにも綺麗に笑うから息を飲む。
このまま何も知らないまま、僕の全てを知らないまま、これからもそう言って送り出して欲しい。
Aちゃんの優しさを裏切りで返してしまっているのに、その優しさにすがりたくなる。
全ての責任、被害も何もかもを僕ひとりで支えるからAちゃんはそうやって優しく明るく笑っていてほしい。
「じゃあ行くね…。」
そう言えば手を小さくヒラヒラと振ってくれる。
『頑張ってね。』
「ありがとう。気をつけて帰ってね。
送ってあげられなくて本当にごめん。」
もうAちゃんの顔は見れなかった。
もう一度その顔を見てしまったら、僕はもうここから動けなくなってしまうような気がする。
ゆっくりとバンのドアに手をかける。
窓越しに後ろでAちゃんが僕を見ているのが映っている。
振り向こうか、そう思ったけれど助手席の窓からマネヒョンと目が合って振り向かないまま乗り込んでドアを閉めた。
Aちゃんにここで大きく手を振り返したかった。
そうしたらきっとまた笑ってくれるから。
動き出した車に身を委ねる。
Aちゃんの働いている居酒屋に飲みに行くから、そう約束したのに行けるのはいつになるだろう。
これ以上気持ちが大きくなりすぎてしまわないか怖くなった。
ダメなのに。
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ケロちゃん。(プロフ) - きょんさん» こちらこそありがとうございます🥹嬉しいです߹~߹ (2022年6月11日 22時) (
レス) @page19 id: 6e1f997a93 (このIDを非表示/違反報告)
きょん(プロフ) - 最高すぎます。もうにやにやとまりません！！こんな物語我得でしかないです！！ありがとうございます (2022年6月11日 15時) (レス) @page19 id: 6d9e8baccd (このIDを非表示/違反報告)
ケロちゃん。(プロフ) - alone99さん» 嬉しいコメントありがとうございます( ⸝⸝⸝ᵕ ̫ ᵕ⸝⸝⸝ ) (2022年6月3日 19時) (レス) id: 6e1f997a93 (このIDを非表示/違反報告)
alone99(プロフ) - もうすでにめちゃめちゃ好きな雰囲気のイマク出てきそうでワクワクです！応援してます！ (2022年6月3日 17時) (レス) @page4 id: 7bd05b70b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ケロちゃん。 | 作成日時：2022年6月3日 0時
