34話 ページ38
走っていくと黒いジャージの集団がだんだん見えてきた。
A「あ、あの！！すみません！」
息切れした声で呼びとめれば、
烏野の主将が私に近づいてきて、心配げな視線を向けられた。
何とか荒れた息を整える。
A「日向翔陽くん？という子の忘れ物です！」
澤村「っわざわざすみません!ほら日向!お礼!」
日向「あ、あああ、ありがとうございます!!!」
A(何でこんな挙動不審なんだろう…)
日向くん？にタオルを手渡した。
並んでみると、私よりは大きい。
大きい人と並んでたから余計に小さく見えたんだな。
日向「あのっ、今日は!本当にありがとうございました!!」
A「ど、どういたしまして…?日向くん？」
日向「呼び捨てでいいよ！Aも1年だろ？」
A「わかった！え、えっと翔陽くん？でいい？」
日向「おう！！」
すごいキラキラした笑顔。
翔陽くんも、本当にバレーが好きなんだね。
何だか翔陽くん見てるとほのぼのして、弟みたいで可愛いって思う。
弟ポジションの子2人目だ。
チラッと翔陽くんの隣を見るとあの"コート上の王様"がいた。
こっちは逆に大きいな
影山「あ？」
ガラ悪いのはちょっと及川さんっぽいな
A「ね、ねぇ！黒髪くん！」
影山「あ゛？」
A「もしかして君が金田一の言っていた"コート上の王様"？」
ﾋﾟｸｯ
私がそういった途端なんか空気が変わった気がした。
翔陽くんもすごい気まずそうな顔をしている。
後ろの高身長メガネくんはめっちゃ笑ってる。
あれもしかしてこれ地雷踏んだやつ？
A「ご、ごめんね？わ、私あなたのこと悪く言ったつもりじゃないの！！王様って聞いた時、普通にプレーがかっこいいって思っただけだよ？トスもあんな完璧にあげれるなんて､､､まさに王様だね！ほんとに試合かっこよかったよ！」
と言うと黒髪くんはあっけない顔をしていた。
え、また私余計なこと言った？
他のみんなも固まってるし､､､
A「あ、あの､､､黒髪くん？」
影山「影山。影山飛雄ッス。」
A「影山くん？」
影山「呼び捨てでいいです」
A「と、飛雄くん？」
影山「はい。あ、えっと、あざっす。え、えっと」
A「Aだよ！神代A！同じ1年生！よろしくね」
影山「おう。さっきはありがとな。王様で褒められるとは思ってなかった」
と一礼された。
よ、良かった
怒ってなくて､､､
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作者名：歌唄 | 作成日時：2023年3月31日 23時
