それが貴方のお望みなら｡ (ページ1)

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フランスのお嬢様ページ1

「ここね｡」

私は地図に書いてあったお屋敷を見上げた｡
いつもならフランスにいるのだが､今日は特別だ｡
ここイギリスの“伯爵様”から依頼がきたのだ｡
私はお屋敷のドアをノックした｡
すると中から､眼鏡をかけた美少年が出てきた｡

「誰ですか｡」

「私､伯爵様からご依頼を承りました､A・ホワイトローズです｡」

「あなたがAさんですか｡来てください｡兄たちが待っています｡」

美少年は､私をお屋敷の中に入れ､地下室に連れて行った｡
どうやらここが拠点のようだ｡

「兄さん､Aさんがいらっしゃいました｡」

「どうぞ｡」

私は促されるまま､中に入った｡

「はじめまして｡僕はウィリアム・ジェームズ・モリアーティです｡」

「貴方がウィリアム様ですね｡この度はご依頼してくださり､感謝致します｡」

「いえいえ｡依頼をしたのは兄の方なので｡」

そう言って照れたように笑うウィリアム様｡
私がその様子を眺めていると､後ろから声をかけられた｡

「お前､パッと見お嬢様だけど､何しに来たんだ？」

その問に､私はニコリと微笑みながら言った｡

「私は……人を殺しに来ました｡」