きみじゃなきゃだめかもなあ、((Kento.N)) (ページ2)

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02.もう1回言ってみようか？ページ2

〇謙杜

最近、なにやら彼女がおかしい。

「………、」
『なあ、どしたん？』
「んーん、なんもなあい」

ことある事にじーっと見つめてきては、なんとも言い表せない表情を浮かべて目をそらされる。

え、なんなん？俺なんかした？

気になってしょうがなくて今みたいに聞いても、はぐらかされて終わり。
でも見つめられるのは嫌じゃない。…むしろ嬉しい。だってあのAちゃんが見つめてくれてる。大きな瞳で、くりくりした黒目をさらにまんまるくさせて。

(…かわええなあほんまに)

つんつんとほっぺをつついてみると、何を思ってかぷくっと膨らんでいくそこ。

…あかんって。かわいすぎる。

『悩んでることあるんちゃう？』
「悩みってほどじゃないけど」
『あるなら言ってや、たまには頼って？』
「んふ、いつも頼ってるよ」
『もおー』

並んでソファに座っていたのを、肩をそっと掴んで体をこちらに向けさせる。さっきとは大違い。ぽけっとした目が俺を見つめてくる。

『ちゃんとおしえて？』
「謙杜ぜーったい笑う」
『笑わんから』

少しだけ考え込んだ彼女がすっと顔を上げる。
言う気になってくれたんかなってそわそわしてると、形のいい唇が躊躇いがちに開かれる。

ーーー…謙杜の好きなところ、見つからなくて

ん、え？笑うとかの問題じゃないんですけど？

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