きみじゃなきゃだめかもなあ、((Kento.N)) (ページ1)

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01.始まりの始まりページ1

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ーーー…ねえAはさ、長尾くんのどこが好きなの？

友人から問われたその質問がさっきからぐるぐると頭をまわってる。高校時代の友人である彼女は、きらきらした目でそう聞いてきたけど

(どこって言われてもなあ…)

そのとき私が返した言葉も、今出てきたのと同じだった。

『ただいまあ、』
「あっAちゃん！おかえり！」

バタバタとリビングから出てきて、目が合うときゅっと目を細めて笑ってくれる彼。それだけでももうやられてしまって、どうしようもなく疼く胸は毎度のことで。

『うーん…？』
「なんや、そんなじっと見つめんといてや、穴空くわ」
『ごめんごめん。来てたんだね』
「LINEしたやん〜Aちゃんの悪い癖やで？ LINEちゃんと見んと」

ついつい見忘れるLINEを確認すると、たしかに謙杜からメッセージが来ていた。しかも1時間前。

申し訳なさそうな目をして顔を上げると、頭にチョップされる。

『いたっ』
「でも、いつものことやしもう慣れてもうたわ」

チョップしてた手が今度は優しくふわりと頭に置かれて、改めておかえりをもらう。

(…うん、めっちゃすき)

でもただ単にこれを、優しいところなんて片付けてしまうのは違う気がするし、なにより私が気に食わない。うーんうーんとまたじっと顔を見つめていると、『やから穴空くわ』とまたチョップを食らわされた。

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