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加藤くんが今日もカメラを持ってきてるというので、帰り際に記念に撮り、私達は年内最後の4人の時間を終える。
名残惜しそうに玄関の外まで小山くんがお見送りに来た。
「シゲ〜、俺からのプレゼント大切にしろよ？」
「分かったよ(笑)」
小山くんのプレゼントは、松岡先生の顔面がでかでかと印刷されたTシャツだった。
当たったのが女子2人じゃなくて全員が安堵していただろうし、今思えば、よくそんなものを用意できたものだ。
真由とは家が反対方向なので、玄関の前で小山くんと共にお別れする。
「じゃあAに小山に加藤、また学校でね！」
「うん、みんなよいお年を！」
『メリークリスマス！よいお年を！』
私たちが帰り際まではしゃいでいるのを、加藤くんは自転車にまたがり、両手をジャンパーのポケットに突っ込みながら笑って見ていた。
そのうち、カシャンと自転車のペダルに足をかける音が聞こえた。
「金子、行こ」
『うん、』
早く行きなと、囁くような2人からの優しい声に、地面を蹴ってゆっくり進む加藤くんの背中を追いかけた。
「楽しかったな」
『うん、楽しかった！』
「本当俺、このメンバー好きだわ(笑)」
『うん、私も…(笑)』
「うん(笑)」
こんな風に面と向かって言われると、クラスのみんなよりは特別なんだから、もうそれでいいんじゃないかと思えてくる。
結局今日も他愛もない話をして私の家の前に着く。
「…じゃ、」
『うん、…また来年もよろしくね』
「ううん…、えっ…と、」
加藤くんは、なんだか腑に落ちないのか、頭をポリポリかいたあと、困った顔で笑ってみせた。
『ん？』
「や、なんでもない…、てのは嘘(笑)」
そう言って小さく手招きをしたから、私は自転車の横に立つ。
サドルに腰をおろしたまま、加藤くんは自分に巻いていたマフラーを、私のマフラーの上からそっと巻いた。
『え…』
「風邪、引かないようにね」
『でも______』
私がそこまでしか声が出なかったのは、加藤くんが笑っていたから。
その笑顔は涙が出てしまいそうなくらい優しくて。
私って小山くん達より特別なんじゃないかって自惚れちゃうくらいに優しく笑ってて。
「じゃあね」
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彼は私に暖かい香りを残して、年明けにはこの街から去っていた。
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続く (更新停止中)
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鈴木カルロス三郎太(プロフ) - ゆっちゃんさん» えええありがとうございます(;o;)更新遅くなりましたが地道に続けていくのでよろしくお願いします。 (2018年9月19日 15時) (
レス) id: 1320e2bf1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - これ読んでるとなんか幸せな気持ちになりますww この作品好きです(о´∀`о)応援してます！ (2018年8月25日 1時) (レス) id: f0e7248429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴木カルロス三郎太
| 作成日時：2018年8月20日 22時
