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「気づいてなかったかもしれないけど、体育祭とか文化祭で皆の写真撮っててさ」
「知らなかった」
加藤くんは小山くんに、表紙を開けるように促した。
小山くんがページをめくると、そこには、両面に体育祭と文化祭の小山くんが貼られていた。
しかも、アイドルのような笑顔だ。
「この俺めちゃくちゃカッケェ…」
「自分で言うな(笑)」
「残念だけどこれは加藤の腕のおかげだよ小山」
「真由黙って」
次もめくって、と加藤くんが机を楽しそうに叩く。
今度は全面に真由。
やっぱり、めちゃくちゃ可愛い。
あれ、でもそれって…と、私はふと考える。
加藤くんには、いつもこういう風に見えているんだ。
こんな子がいつも眼中にいるなんて、私は虫ケラに過ぎないじゃないか。
いやいや、と心の中に意地を張っている私が現れた。
加藤くんのカメラの技術で仮に私が可愛く撮れていて、それが真由より可愛い可能性だってある。
諦めるな！
「めくるね…？」
小山くんの目線を感じ、私は小さく頷く。
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『……へ、』
次のページは、白紙だった。
加藤くん以外がどうしようかとうろたえる。
小山くんなんて、写真抜け落ちた？！って机の下探し始めているし。
真由が真剣な表情で、どういうこと？と加藤くんに問いかけると、彼は気まずそうに小さな白い封筒を取り出した。
「もともと全員6枚ずつ刷ってあって、その中からいい写真を2枚貼ってるんだけど、金子だけ2枚に絞りきれなかったから…」
“みんなで決めてほしい” と、封筒の中から6枚の私の写真を取りだした。
体育祭での写真3枚と、文化祭での写真3枚。
ハチマキを俯き加減で結っていたり、スーツ姿で腕時計を見ていたり、どれも不意打ちなのに良い表情をしていて。
加藤くんからは、本当にこうやって見えてるの…？
「シゲ、まじでカメラの才能あるわ…」
その言葉にブンブン首を振る私たち。
みんなが良いカオしてくれるから、と笑っている加藤くんの、その笑顔を撮りたいなんて思うのは駄目なのだろうか。
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鈴木カルロス三郎太(プロフ) - ゆっちゃんさん» えええありがとうございます(;o;)更新遅くなりましたが地道に続けていくのでよろしくお願いします。 (2018年9月19日 15時) (
レス) id: 1320e2bf1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - これ読んでるとなんか幸せな気持ちになりますww この作品好きです(о´∀`о)応援してます！ (2018年8月25日 1時) (レス) id: f0e7248429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴木カルロス三郎太
| 作成日時：2018年8月20日 22時
