story 8 ページ8
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私はいま、世界で一番幸せだ。
スマホの画面には、体育祭のお昼に4人で撮った写真が映し出されている。
『はぁ……』
幸せのため息をついて、私はベッドに横たわる。
スマホを見てはニヤけ、スマホを見てはニヤけ。
しかも私、加藤くんの隣だ。
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『……加藤くんって、どういう人が好きなんだろ』
そんな突然の素朴な疑問は、中学生の私の頭を悶々とさせるのには十分だった。
ピロンと音が鳴り、スマホの画面が明るくなったと思ったら。
『わあ?!』
思いがけない人からLINEが届いていた。
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加藤成亮[今度の日曜、4人で勉強会したいって小山から言われたんだけど、金子あいてる?]
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トクトクと心臓が波打つ。
既読をつけようかつけないか迷っていると、メッセージが更新された。
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加藤成亮[金子がこないならなんか3人じゃ気まずいし行きたくないから、金子が行けるかどうかで決めるわ笑]
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私が行けるかどうか……
理由はどうであれ、加藤くんの判断は私に委ねられているという事実が信じられない。
私が行くなら行く気はあるんだよね…?
そんなのもちろん_____
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『 “いいね、勉強捗りそうだし行こうかな” …でいいかな』
『…や、 “空いてるよ、私も行きたいな!” の方がいいのかな』
ひとりごとが止まらない。
なんて返せば一番いいのだろうか。
前者は固く見えるし、後者は遊びに行くテンションに感じられなくもないし。
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加藤成亮[了解笑 小山には俺から伝えとくわ、ありがとな。]
『はあ……』
結局私は、 “そうだね、私も予定ないし、加藤くんが行くなら行こうかな(笑)” と送った。
これが正解なのかどうなのかは分からないけど、一番最初に自然と打ったものにした。
画面上で取り繕ったものも、大抵最後にはバレるもの。
多分加藤くんは何も考えずにこの文章を打っているし、だったら私も普段話しているように返すべきだ。
『…LINE、しちゃった』
LINEのメッセージ欄の一番上に “加藤成亮” の名前がある現実を、私は静かに噛み締めていた。
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鈴木カルロス三郎太(プロフ) - ゆっちゃんさん» えええありがとうございます(;o;)更新遅くなりましたが地道に続けていくのでよろしくお願いします。 (2018年9月19日 15時) (レス) id: 1320e2bf1a (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちゃん - これ読んでるとなんか幸せな気持ちになりますww この作品好きです(о´∀`о)応援してます! (2018年8月25日 1時) (レス) id: f0e7248429 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴木カルロス三郎太 | 作成日時:2018年8月20日 22時