祈り、誓い ページ50
「…なんで君が泣きそうになってるの」
「な、仕方ないだろ、俺だって好きって言うの怖かったんだから」
「……ふふ、意外と怖がりだよね、ナワーブくん」
「お前ほどじゃないけどな？」
「んな、別に私は怖がりじゃ…」
「ふーん？じゃあ答えてよ、怖くないならお前も言えるだろ？」
「わ、私はもう言ったじゃん！」
「俺はちゃんと答えが聞きたいなぁ？」
「……ナワーブくんのいじわる」
「答えなくてもいいけどな、ここから逃がさないだけだから」
彼は真っ直ぐに私を見る。
…スゥと息を吸い込んで、全ての想いをのせて。
「……私も、ナワーブくんが好きです！」
勢いに任せた言葉と一緒に、彼に抱きついた。
咄嗟に壁から手を離し、彼は私を抱きしめてくれる。
いつからいたのか、仲間たちが顔を覗かせて拍手をしている。パチパチという音と共に「おめでとー」「お幸せに」なんて言葉も飛んできた。
…見られていたのか。だんだんと顔に熱が集まってくるのが分かる。
「みんないつから見てたのかな…」
「…ずっといたぞ？」
「え⁉ なんで教えてくれないの⁉」
「あの雰囲気の中でみんながいる、なんて言う馬鹿いるかよ」
ふはっ、と抱きしめたままの彼が笑った。
「…ナワーブくんさん、一旦離していただけないでしょうか」
「ナワーブくんさんはお前を離したくないです」
「み、みんな見てるから…」
「見せつけとけ。お前は誰にもやらねぇ」
「ふふ、やらねぇって、私は先程君の彼女になったでしょうよ」
「……俺はお前の彼氏になったのか」
「不満がおありですか、ナワーブくんさん」
「いいえ、ナワーブくんさんは只今幸せを噛みしめてました」
そう言って、ナワーブは私を離した。
…そしてすぐに私を抱えて、みんなの方へ歩き出す。
「なななナワーブくん⁉ 何事でしょうか⁉」
みんなの元に行くと、あちらこちらから声をかけられる。
「ヒュ〜、お熱いねぇお二人さん！」
「やっとくっ付いたわね！見てるこっちもハラハラしたんだから！」
「2人とも幸せそうなのー！」
暖かい日差しが差し込む廊下。暖かい仲間達からの声を聞きながら、君の腕の中でそっと今までのことを思い出す。
過酷な環境を乗り越えて、すれ違って、再開した私達は今、こうして想いを伝え合うことができたのだ。
2人を繋いできたペンダントをそっと握りながら、私は祈る。
「これからは離れることなく、共に誓いを果たせますように」
終わり
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四葉(プロフ) - 夕霧さん こちらこそありがとうございました！感動させるとこができたようでこちらも嬉しいです！ (2019年7月29日 8時) (
レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - ゆきさん 読んで下さりありがとうございました、素敵と言ってもらえて嬉しいです...！ (2019年7月29日 8時) (レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - いや、あの、……はい泣きましたァァァァア！！！心ん仲がキャーキャー言ってます！ありとうございましたァァァァアァァァァア！！！←語彙力なくて申し訳ないです！ (2019年7月28日 17時) (レス) id: 2612ac3b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 連載お疲れ様でした。とても素敵なお話でした。 (2019年7月9日 7時) (レス) id: 3b646a2d91 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 申し訳ありません...！修正いたしました、ご指摘ありがとうございます！ (2019年6月16日 0時) (レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四葉 | 作成日時：2019年6月15日 22時
