おばけの真相 ページ39
……しかし、俺は衝撃ではなく声を聞いた。
「…殴られると思ったか？残念だったな！俺はおばけじゃなくて......ウィリアムだ！」
……は？思わず顔を上げて正面のおばけ…いや、ウィリアムを見る。
布を取り払って、ニヤニヤと笑うウィリアムの顔がそこにあった。後ろのおばけたちも布を取っていく。
そこには、探索に来た仲間の顔があった。
「…貴方たちを驚かせようってウィリアムが言ってきたのよ。この探索は貴方たちにドッキリを仕掛ける為にやるんだって」
「ちょ、マーサ！俺が全部悪いみたいだろ⁉」
「事実ですしね」
「イソップまで⁉ お前らも協力した時点で共犯者だろぉ？」
「僕、ドッキリやるって聞いたの探索終わってからなんだけど？」
「あらトレイシー、あなたも？私もそうよ。探索が終わったら新しい香水の香りを確かめようと思っていたのに…」
「まぁまぁ、僕らも招集かかった時に聞いたから…それに彼ら、結構いい感じになってたんじゃないかな？」
そう言ってイライは呆然とする俺たちをチラリと見た。イライの言葉でハッと我にかえる。
つまり俺はこいつらの前で彼女を抱えたり手を繋いだりしたってことか…？
顔に熱が集まってくるのが分かるのと同時に、身の危機ではなかったことに安心した。…今も手は繋いだままだ。彼女も恥ずかしいだろう、すぐに手を離そうとする。
……しかし、繋いだまま、手は離れない。
俺はそっと彼女の方を見た。
そこには、目にいっぱいの涙を溜めた彼女がいた。みんながギョッとする。
「お、おい、泣くなよぉ、ごめんなぁ」
「あーあ、ウィリアムが泣かせたー」
「ナワーブさんに怒られますよ…」
「そうよウィリアム、あなた一度怒られればいいんだわ」
「痛い目見ないと絶対今後もやるわよ…私の信号銃でも使う？」
「まさか泣かせてしまうとは…すまなかった、もう今後はやらないようによく言うから」
「イライぃ⁉ お前は味方してくれると思ってたぞ⁉」
「Aを泣かせたやつの味方になるのはちょっと……ナワーブ？先程から反応が無いが大丈夫か？」
今にも泣きそうな彼女から俺へと視線が向けられる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四葉(プロフ) - 夕霧さん こちらこそありがとうございました！感動させるとこができたようでこちらも嬉しいです！ (2019年7月29日 8時) (
レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - ゆきさん 読んで下さりありがとうございました、素敵と言ってもらえて嬉しいです...！ (2019年7月29日 8時) (レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - いや、あの、……はい泣きましたァァァァア！！！心ん仲がキャーキャー言ってます！ありとうございましたァァァァアァァァァア！！！←語彙力なくて申し訳ないです！ (2019年7月28日 17時) (レス) id: 2612ac3b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 連載お疲れ様でした。とても素敵なお話でした。 (2019年7月9日 7時) (レス) id: 3b646a2d91 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 申し訳ありません...！修正いたしました、ご指摘ありがとうございます！ (2019年6月16日 0時) (レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四葉 | 作成日時：2019年6月15日 22時
