おばけ ページ35
「……ねぇ、もう誰もいないんだよね？」
「人影が全くないからな、みんな帰ったんだろ」
「じゃああれ、何だと思いますか…？」
Aがベッドが並ぶ部屋の方を指差している。
「どうせ干してある布団とかだろ、大丈夫だ」
「え、ほんと…？布団って浮くものだっけ…？」
さっきから何を言っているんだ。俺はAが指差す方を見て、固まった。
…薄いヒラヒラとした白い布が浮いている。また怪奇現象か、と思ったが、今度は明らかにこちらに向かって来ている。
「……逃げるぞ」
「え？うわぁ！待って速いよ！」
俺はAの手を掴んで反対側へ走った。足をもつらせながらも、Aは必死について来ている。
なんだあれは。自分の心臓がバクバクとしているのが分かった。
…肘当てを使いたいが、それではAを置いていくことになるな。
チラリと後ろを見る。まだ布はついて来ているか…しかも気づけば3体に増えている。
おばけが増えた、だなんてことを知ったらAは怯えるだろうな。どうにかして距離を離したい。
……そうか、こいつを抱えればいい。
ピタリとその場に止まり、Aの方へ振り向く。
急に止まれず彼女が俺の腕の中へ飛び込んできたところで、そのまま俺はAを抱きかかえた。
「わっ！急に止まらないで……あれ？」
視界が急に変わって驚いたのだろう、Aが腕の中でキョトンとしている。…そして今の状況に気づく。
「えぇ、ナワーブくん⁉ なな何事でしょうか！」
「喋んな、舌噛むぞ。…肘当て使うからな、掴まってろ！」
俺は壁に軽くトンッとぶつかると、肘当てで素早く移動した。
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四葉(プロフ) - 夕霧さん こちらこそありがとうございました！感動させるとこができたようでこちらも嬉しいです！ (2019年7月29日 8時) (
レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - ゆきさん 読んで下さりありがとうございました、素敵と言ってもらえて嬉しいです...！ (2019年7月29日 8時) (レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
夕霧(プロフ) - いや、あの、……はい泣きましたァァァァア！！！心ん仲がキャーキャー言ってます！ありとうございましたァァァァアァァァァア！！！←語彙力なくて申し訳ないです！ (2019年7月28日 17時) (レス) id: 2612ac3b18 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 連載お疲れ様でした。とても素敵なお話でした。 (2019年7月9日 7時) (レス) id: 3b646a2d91 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 申し訳ありません...！修正いたしました、ご指摘ありがとうございます！ (2019年6月16日 0時) (レス) id: e202c92208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四葉 | 作成日時：2019年6月15日 22時
