相良くんとかわいいものにかこまれたい！よん【今日俺】

恋わずらい ページ48

「はーーー絶対バレた。アイツら絶対、俺が開久のツッパリだって話してんだろ」

「むしろバレてなかったのが凄すぎだろ。葉山さんって子、良い子すぎか」

「めちゃくちゃ良い子だし、めちゃくちゃかわいい子だ」

「そうかよ。…おい。今日の放課後はいい加減、石橋と吉村を探し出すぞ。俺ももうグチグチ言われるのは疲れたしな」

「はいはい」


という会話を智司としたのは昼休み。

今日程に落ち込んだ日はないかもしれねぇ。
俺がツッパリだって知って、葉山さんは引いたか？
ツッパリ怖がってたもんな…。
もう会ってくれねーかもだよな。

最近マジでついてねぇ。
紅校の番は取り逃がすし、石橋と吉村は見つかんねーし。


「てか、石橋と吉村はお前らがヘマしたんだろっつー話だよな。何で俺らがこんな目に合ってんだよ。お前らもそう思わねぇ？」

「まぁ、それは、正直そうっスよね〜」

「で。そいつは何か吐きそうかよ」

「いえ。今のところは」

「そいつボコっとけば？何人か犠牲が出れば、あっちから出てくんだろ」

「そっスね」


もう万策尽きたっつーか、これが一番手っ取り早いっつーか。
軟葉の生徒さんを適当に。

てか、こんな事してる場合じゃねーんだって。
そもそも俺がこんな事になったのは成蘭の番のせいなわけで…！！

……いや、違うな。
葉山さんにツッパリ隠し遠そうとしてた俺が悪いのか。


「ぐぅ…ッッ！！」


あ？
考え事してたらうめき声が聞こえた。
ゆっくりそっちに振り返る。


「ダセェ事やってんじゃねーよ！」

「何だァ…？って、この前のお姉サンじゃん…」

「お前、Aを人質にとってた奴か」

「人聞き悪ぃ事言ってんじゃねーよ。ちゃんと家まで送ったわ。女だからって容赦しねぇぞ」

「上等だよ！Aはアタシの大切なダチだ。Aを泣かせる奴は許さねぇ！」

「泣かせた事なんざ無ぇし、んな奴いたら俺が…、」

「？」


そんな奴、俺が直々に殴りに行ってやる。
声に出さず、その言葉を飲み込んだ。

お姉サンは俺ら開久相手でも怯まずやり合いやがった。
さすが番張ってるだけあって結構やりやがる。

……葉山さんはこんな事、絶対やらないんだろうな。
いつもニコニコ笑って楽しそうに学校行って、普通に学生してんだろう。
そんな良い子に、俺みてーなボンクラはやっぱ近づいちゃ駄目だよなー。

こんな事考えてる状態で喧嘩勝てるわけねーだろ。

気づいた時には頭がめちゃくちゃ痛かった。
金髪絶対ぇ許さねーからな。

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←あなたの正体は何ですか？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す