相良くんとかわいいものにかこまれたい！よん【今日俺】

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「弥也一樹って誰だよ」


気持ち良さそうにAちゃんが寝てる俺のベッドを背もたれに、片膝を立てて座り込む。
どうしてもイラつきが隠せない。

少し落ち着かせる為に煙草吸おうかな。
いや、Aちゃんがいるからやめとこ。

舌打ちをして、無理矢理に落ち着かせる。
その髪型もリボンの色も、全然似合ってねーし。
腹立つ、クソ腹立つ…。


「それにしても、マジで効き目あるな。さすが"本物"から取っただけあるわ」


ヤクザつっても、下の奴なら少し脅せばいけた。
そいつから貰った、よく眠れる薬。
Aちゃんの為に紅茶の淹れ方練習した甲斐があった。


「ちゃーんと下の奴で試してっから、安心して寝ていいからなァ」


ほっぺに手を滑らせれば、嬉しそうにすり寄ってきた。
幸せそうな寝顔にどうしようもなく気持ちが溢れて、そっと唇に触れた。


「さて。ちゃんと、綺麗にしてやるから」


まずは体制を整えてやる。
シワが入ったセーラー服をできる限り綺麗に伸ばす。
スカートの"ひだ"も一折り一折り、丁寧に揃える。

あ、ネイル取れかけてるとこあるじゃん。
まずは指一本一本の爪の形を綺麗にしてやる。
そしてネイルの塗り直し。
はみ出しなんて許されねぇ。

ネイルが乾くまで、問題の髪も綺麗にしてやるからな。
水色のリボンを取ってゴミ箱ー。
ブラシで髪をすく。
ふわふわで柔らかい、Aちゃんの髪が好きだ。

明日はどんな髪型にしてやろうかな。
髪を一房掴み口元へ運んで髪質を感じる。
あー…、ヤバい。
こんなんで興奮するとか変態じゃねーの、俺。

髪を持ってない方の手がベルトに触れた時に思い出した。
そうだ、俺好みのAちゃんに似合いそうな香水買ったんだったわ。

香水を振りかけたら終了。
完璧な"俺のAちゃん"に戻った。


「Aちゃんは、俺のなんだからよ。俺好みの髪飾りで、俺好みの髪型で、俺好みの匂いが一番似合ってんだよ。他人の趣味なんざ一ヶ所でも許さねぇから。あ、今度は服とかも用意しとくからな。絶対似合うやつ選ぶから楽しみにしてろよ。可愛い。最高に可愛いわ、…"俺のAちゃん"。全部俺に任せていいから。Aちゃんの事は俺が全部分かってんだから」


あー、後始末が残ってんの忘れるとこだった。
クローゼットから黒いパーカーを引っ張りだし、やたら他校の情報に詳しい下っ端に電話した。


「弥也一樹って奴、どんな奴か知ってるか」


ちょっとだけ出るから、俺が戻るまで良い子で待っててな。

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