相良くんとかわいいものにかこまれたい！よん【今日俺】

サンタはその笑顔に笑う ページ37

「彼女の部屋で何やってんだ…。ご両親もいないってのに…」

「私気にしてないよ！？ほんとに！むしろ相良くん凄くかわいかったから大丈夫だよ！」

「何が大丈夫なんだよ…。無意識で傷えぐってくるじゃん…」


顔を手で覆い、反省の念を示す相良くん。
私も思い出すだけで恥ずかしい。
でも相良くんから主導権を取れたのは正直に言うと楽しかった。

泊まっていってもいいのに、やっぱり親がいないからと全力拒否された。
大事にしてもらってるって分かってるけど、少し寂しいなぁ。


「玄関まででごめんね。真っ暗だから気をつけて帰って？」

「俺を誰だと思ってんだ？Aちゃんも鍵ちゃんと閉めてな。これ、毎日付けるから」


相良くんがピアスが付いてる方の耳を触れば、それはキラリと輝いた。
私が贈ったものを喜んでくれてる…。
すごく嬉しい…！


「私も大切にする！またね、相良くん！」

「おー、またな」

「あ、メリークリスマス！！」


いっぱいの笑顔でそう言うと、相良くんは優しく笑って返してくれた。


「あぁ…。メリークリスマス」


★*:


次の日。
お昼から京子ちゃんたちと会う予定。
お父さんとお母さんは起きたら帰ってきてた。

リビングに入ればお母さんが朝ご飯の用意をしてくれてる。


「メリークリスマス、Aちゃん！」

「おはよう。メリークリスマス。昨日の晩に帰ってきたの？」

「そうなのー！相良くんとクリスマス楽しめた？」

「いっぱい楽しんだよ！ふふっ、ネックレスもらっちゃったんだ〜」

「かわいい！よく似合ってる！…、あ。プレゼントといえば」


お母さんは思い出したように包みを私の前に置いた。
それには大きな緑色のリボンがかかっている。


「玄関に置いてあったの。もしかしてAちゃんにかなって…」

「何だろう…。開けていいと思う…？」

「あ、開けてみましょう…！」


2人で息をのみながら、ゆっくりと緑色のリボンをほどいた。
(ちなみに何が入ってるのか分からないものを開けない！とお父さんに怒られた。)


「ま、まめの助のぬいぐるみ！？持ってないやつ！！」

「やっぱりAちゃんにだったね〜！もしかしてサンタさんかな？」

「そんなまさか。…一晩中お外で寒かったでしょう？私のお部屋にいる友だちと並べてあげるからね〜！」


こんな私に、こんな方法でプレゼントをくれる人…。
緑色のリボンに、柳さんと大嶽さんの顔が思い浮んだ。
今度会ったら聞いてみようねと、まめの助に微笑んだ。

暑中見舞い申し上げます１→←夜中のデザートはより甘く３(ぴんく)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す