相良くんとかわいいものにかこまれたい！よん【今日俺】

ケーキの苺は最後にとっていた ページ33

相良くんは私にたくさんくれる。
楽しいこと、嬉しいこと、言葉、行動。
こんな私に、惜しみ無く。
だから私も相良くんにあげたい。


むにむにとまめの助ぬいを触る相良に、Aは微笑んだ。
後ろ手に持っている、いわゆるクリスマスプレゼント。
ぎゅっと一度目を瞑って、「相良くん」と静かに呼んだ。


「ん？」

「私も、クリスマスプレゼントあるんだよ！」

「…マジかよ…。俺に？」

「受け取ってくれると、嬉しいな…」


そっと目の前に黒い袋を差し出した。
まめの助を抱く相良の手に、喜びから力が入る。
袋はAの手から、相良の手へ。


「嬉しいに決まってる。開けていい？」

「い、いいけど…！微妙だったらごめんね」


袋から出てきたのは小さめの箱。
これも黒色で、シルバーのリボンが巻かれている。
普段の相良からは想像が付かない程に、丁寧に開けていった。

箱から出てきたそれを、ゆっくり目の前に掲げる。


「ピアス……」

「そう、なの…！ピアスっていろんなデザインがあるんだね！シンプルだけどかっこいいなって思って選んだんだけど…。好きじゃないデザインだったら、」

「嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい…」

「ほんと…？よかった〜！」


相良は目を細めてそれを見つめる。
部屋の光が反射して綺麗に光った。
膝にまめの助を抱えたままなので、一緒に喜んでいるように見える。

抱えていたぬいぐるみを横にそっと置いて、相良は腕を広げた。


「ん」

「え？」

「おいで、Aちゃん」

「！……えへへ！」


Aは思いきり相良に抱きついた。
お世辞ではなく本当に喜んでくれたらしい。
「ありがとう」と聞こえて、「こちらこそ！」と答えた。


「相良くんは私のだよっていう首輪代わりだからね！」

「何それ最高すぎるな。ほんとに首輪貰ってもよかったんだぜ」

「えー、うーん…。それはちょっと…。毎日じゃなくてもいいから、お出かけの時とかに付けてほし、」

「いや、毎日付ける。今からでも。あ、そうだ」


相良は心底楽しそうに笑った。


「Aちゃん、付けてよ」

「え？」

「だから。これ、Aちゃんに付けて欲しいんだけど」


Aの動きがピタリと止まる。
逃がさないように、相良はAの腰に回している手を強めた。


「私、付けたこと、ないよ…？」

「構わねぇよ。な？俺は痛くても大丈夫だし、"ココ"に嵌めるだけだろ？」


相良はAの目の前にピアスを持ち上げた。


ー「できるよなァ？Aちゃん」

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