34 tears ページ34
友達「和也ぃ、私を信じて」
「和也、私は…」
和「俺は名前を信じるよ」
和也はちゃんと目を見て言ってくれた。
それは身体を透かして私の生命そのものに語りかけるように。
「ありがとう」
今までちぎれそうになっていた糸がまた1本の糸に戻ったように、
友達以外のクラスメイト全員がひとつになった。
放課後、和也と公園のベンチでゆっくり話すことにした。
二人の距離は拳２個分離れていた。
和「名前、ありがとう。
自分の気持ちをクラスにぶつけてくれたおかげで本当に守らなきゃいけないものに気づけたよ」
「守らなきゃ行けないもの？」
もともと何を守っていたのだろうか…。
そして、本当に守らなきゃいけないものってなんだろう。
すごく気になって、もちろん私はすぐに聞いた。
和「あぁ。それは名前だよ」
私は驚いて、体がビクッと跳ねた。
「わ、私？！！！」
和「うん。友達でも俺自身でもクラスの空気、ルールでもなくて、名前が大切なんだ。
名前、好きだよ」
好きな人からの告白だった。
もちろんうれしかった。
でも、もう無理だと諦めていたから
すぐに状況を理解することが出来なかった。
私は今でも和也のことが好き？？
自分に問いかけてみた。
思い返せば、和也との思い出がたくさんよみがえる。
私が隣にいて欲しいのは。
ファーストキスの相手は。
どんな時でも一緒に、気持ちを共有したいのは。
私の好きな人は
「和也。
私も和也のことが好き」
2人の視線がバチッと合った。
和「今俺世界で1番幸せだわ」
「いや、私が世界1幸せ」
カップルに成り立ての2人が自分たちの世界に入り込んだところで、
さっきまでの拳２個分の距離がゼロになった。
そして2人の唇が重なった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あ お い ち ゃ ん こ | 作成日時：2019年2月25日 23時
