31 tears ページ31
友達「でも名前は私と二人きりの時にしっかり言ったの。
私がいることが迷惑なんだって」
確かに言ったけど、、
それはちゃんとその言葉の前後を聞いてやっと完成する物語のようなもの。
でもそれを知る人は私以外誰もいなくて。
友達「ねぇ、それも嘘だって言うの？」
「それは…」
言いたいことがあるのに言葉が詰まってしまった。
これじゃあ更に疑われてしまう。
でも、声を出そうとすると口が震える。
和「名前、本当なの？」
嫌だよ。和也までそっちに行かないで。
言葉にしたいのに頭が真っ白で何も出てこない。
代わりに涙が意思の塊となって出てくる。
私は友達をいじめてなんかいない。
傷つけられたのは私の方だ。
やっと真実を伝えることが出来ると思ったのに、
友達「今更逃げるなんてしないでねっ」
みんなからして加害者の私が極限状態まで来ているのに、被害者の振りをしている友達は冷静になっている。
もうみんな気づいてるんじゃないかな。
友達の本性は弱々しいいじめられっ子じゃなくて、演技が達者ないじめっ子ってことに。
でも誰も助けてくれるわけではなかった。
和「名前、何か言ってよ」
「ごめんなさい…」
みんな黙っているはずなのに、私の悪口をブツブツ言われているようで怖かった。
だから私は謝った。
和也の問いかけだって、私を追い詰めているんだと錯覚に陥ってしまっていた。
この時の私は冷静さの欠片もなかった。
和「なんで謝るの」
嫌だ嫌だ。
クラスのみんなが私を睨んで悪口を言っているんだ。
私が悪いのかな…。
和也と馴れ馴れしくした私が悪いだねきっと。
和「名前？」
「もうやめて！やめて。やめて。もう何もしないから！！！」
私に集まった視線に耐えられなくなり、教室を飛び出した。
追いかけてくれる人はいなかった。
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作者名：あ お い ち ゃ ん こ | 作成日時：2019年2月25日 23時
