30 tears ページ30
「何言ってるの？」
友達「これ、美術の授業で作ったコップ。
名前に壊されたの。」
もちろん私はそんなことしていない。
まず、音楽を選択している私は友達がコップを作っていたなんて知らなかった。
それでも友達は泣きながら続けた。
友達「前からいじめられてたけど何も言わなかった。学級委員だから権力あるし…」
もともと学級委員に推薦したのは友達の方なのに。
そして、その涙はなぜ簡単に流れていくのか。
友達「もう限界…。みんなは名前の味方だよね。私なんか…」
璃空「みんな友達の味方だよ！
いじめるやつは絶対に許さない」
なんだこの大根芝居は。
いい人ぶってるのに成り切れてないのが1番痛い。
和也は今どう思ってるのかな。
気になるけれど、怖くて身動きが取れない。
理江子「名前はそんなことしない！
みんな知ってるでしょ。名前がクラスのために文化祭一生懸命頑張ってくれたこと」
璃空「でもいじめはよくないよ」
完全に私と理江子VSクラスの構図に分かれてしまった。
「私は本当に何もやってない」
声は震えてしまったけど、事実をちゃんと伝えなきゃ。
もしみんなの気持ちが変わらなくても、悔いは残したくない。
和「みんな、考え直してよ。
名前は友達をいじめるようなやつじゃない」
和也は私の味方でいてくれた。
もしかしたら、私にもヒロインになれるチャンスがあるのかもしれない。
ここでへこたれさえしなければ。
「みんな、信じて」
精一杯頑張って声を出した。
和也と理江子にだけでも届くのなら。
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作者名：あ お い ち ゃ ん こ | 作成日時：2019年2月25日 23時
