11 tears ページ11
和也と二人きり。
先生が設置した目安箱の中身の確認作業。
私は女子の箱。和也は男子の箱。
古典的なやり方だけど、意外とみんな意見を入れてた。
和「おなかすいただって笑」
「ほんと迷惑なやつだよ」
大体はふざけたことしか書いてなくて。
このために時間を割いてくれてる和也には申し訳ない。
でも、紙を見ながらたまに楽しそうに笑う和也を見れて幸せな気持ちなった。
一方、女子の目安箱の方は先生への悪口ばっかりだった。
あっ…
"名前が和也を狙ってて草"
"名前の行動があざとくて笑えない"
"名前がわざと転んでたぁー"
先生への悪口と、私への悪口の間違いだった。
ここまで来ると笑っちゃいそうになる。
「こんなことに付き合わせてごめんね。
絶対部活に行った方が良かったよね…」
和「すごい楽しいんですけど。
部活なんかより俺はこういう作業の方が好き」
学級委員に向いてるよ！って思った。
あんなチャラチャラ圭斗なんかより。
でも、そんなことを言ったら変わるよとか言いそうだったからやめておいた。
本当は一緒にこうやって毎回仕事したいけど、
そんなことしたら女子から猛反対を食らうに決まってる。
和「え、俺なんか変な事言った？」
「うん、十分変だよ。野球やってる時いつも生き生きしてると思ってたし…」
ピッチャーとしてボールを投げてる和也はいつもよりもかっこよかった。
和「え、部活とかいつ見てるのさ」
「学級委員の仕事が終わったあととか？」
ある日、和也が部活をしているところを見てから毎日窓から眺めてる。
和「そんなに俺のこと見てくれてたんだ」
「別に、たまたま目に入っただけ」
慌てて作業に戻る。
和也はもう終わったらしく、私もあと1枚だった。
そこに書かれてたのは、、、
"苗字名前が友達をいじめている"
心臓に悪い、嫌なことが起きる予告だった。
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作者名：あ お い ち ゃ ん こ | 作成日時：2019年2月25日 23時
