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奇跡が7個 ページ7
この人の話す言葉は面白いものばかりだ。
私を罵る言葉ではなく、私を着飾らせるものの名前の方がポンポンとでてくる。
「明日にでも服買いに行こうな」
「ふ、く?」
「そう、服」
ふくが何かは分からないけれど、この人が言うなら、きっと素敵なものなのだろう。
上手く言葉を出せない私を怒るでもなく、この人は笑ってくれた。
私はこの人の笑った顔が好き。
くしゃっとなって優しい顔。
その時不意に檻の前で管理人がこの人に言っていた名前を思い出し、口を動かした。
「う、あた」
難しい。
この人の名前を呼びたいだけなのに、満足に言えなくて悔しい。
「うりゃ、た」
言えたかな?
さっきよりも上手く言えた気がする。
するとその人は私をぎゅっと抱きしめた。
強く抱きしめてくれているけれど、優しくて、私は安心した。
落ち着く場所、見つけた
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作者名:なつの | 作成日時:2019年3月6日 21時