鬼の俺と人間の君が出会えた奇跡【うらたぬき】 (ページ14)

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奇跡が１４個ページ14

「ん……」

眩しくて自分の目をこすった。
そしてゆっくりと目を開ければ朝になっていて、私の隣にはうらたがいる。

「うらた？」

ツンツンとつついてみるもうぅ、と唸るだけでなかなか起きない。
私は少し寂しくなって、うらたの上に乗った。

「うらたー！おきて」

「うわっ！……おはよA。何してんの？」

「うらたおきたぁ！」

わーい、と喜んでいれば私の体は誰かに簡単に持ち上げられてしまい、床に降ろされる。
誰だろうとそちらを向けば、呆れたように笑うそらるがいた。

「そらる！おはよう！」

「おはよう。朝からうらたくんの上に乗らないの。
俺の名前覚えててくれたんだね」

「うん！うらたが言ってたから」

「えらいえらい」

頭をポンポンと撫でられて、その気持ち良さに思わず目を細める。
なぜだか、そらるの手はうらたと同じくらい安心できる。
大きさも温もりも、何処と無くうらたに似ている気がするのだ。

「あ」

やべ、と言うようにガバッと起きるうらた。
突然の出来事のため、私もそらるもうらたに集中する。

「どうしたの？うらた」

「今日、俺の仲間がここにくる」

顔を真っ青にしながらそう言ううらた。
そんなことか、なんて呑気に考えているのは私だけで、そらるも顔を真っ青にしていた。

「え、それってあいつも…とか？」

「はい……」

一瞬その場に沈黙が広がり、私がそらるに理由を聞こうと肩をトントンっとするとその腕を掴まれお姫様だっこされた。

「ふぇ⁉そらる⁉」

「うらたくん！時間稼いどいて！」

「はい！お願いしますそらるさん」

するとそらるは急いで屋敷の奥へと私を連れて行き、私を押入れへと押し込めた。

「ごめん！ここにいて！
……あと、念のためにこれも持ってて」

そう言って渡されたのは、そらるが首にかけていたネックレス。
十字架の形をしたそれを、私は受け取った。

「声は、出さないでいて」

そう言ってそらるは、居間の方へと戻っていった。