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奇跡が１個 ページ1
うらたサイド
『何度生まれ変わっても、私はあなたの側にいくよ』
あぁ、懐かしい。
ひどく懐かしい記憶だ。
俺の唯一の―……
「ん……」
眩しい光のおかげで目が覚めた。
「もう朝か…」
霞む視界をこすりながら布団から身を起こす。
ここは鬼や吸血鬼、異形のものが暮らす世界。
そこに鬼の俺は1人、山の上に屋敷を持って暮らしている。
1人といっても一緒に生活していないだけで、仲間はいる。
それなりに俺は楽しく生きている。
それにしても懐かしい夢を見た。
あの頃がきっと俺が1番幸せだっただろう。
狂おしいほど求めては、散っていく華を見つめていたあの頃が……。
「よし！」
感傷に浸っている自分を奮い立たせようと、俺は町へと向かった。
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作者名：なつの | 作成日時：2019年3月6日 21時
