たぬきが84匹 ページ39
和サイド
最悪だ。
私の膝には気持ちよさそうに眠る、坂田とか言う男。
後ろのソファにはブランケットをかけたお姉ちゃん。
終いには机に志麻さんとセンラさんがぐでっと寝ている。
そう。
私とうらたぬき以外寝てしまったこの状況は言ってしまえば、私とうらたぬきの2人しかいない状況に等しい。
「なんで……」
「声に出てるぞ。仕方ないだろ、みんな寝たんだし」
「隠すつもりもないですし。
お姉ちゃんだけでも家に帰したい」
「お前、本当にAの事好きなんだな……だから俺たちが嫌いなのか?Aの近くにいるから」
「……別に」
男が嫌いか嫌いじゃないか?と聞かれたら間違いなく嫌い。
というより怖い。
そんな事言ってしまえば、今後お姉ちゃんの交友関係に響きそうだから言わないけど。
って思っていたのになぁ
私はちらっと志麻さんの方を見た。
すごい綺麗な顔で寝ているため、人形のようだと思ってしまった。
(『警戒心』なんて言葉、お姉ちゃんの前でなんて言わないでよ)
私が男が嫌いということにしているのは、男への牽制とお姉ちゃんへの配慮のつもりだった。
きっと私が男の人が怖いと言えば、お姉ちゃんは私が日本にいる間、うらたぬきとも坂田とも関わらずにいるのだろう。
(そんなの、絶対にダメだよね。
だって、この2人は……お姉ちゃんにとって大切な人たちなんだから)
この数日、話さなくても見ていればわかるほど、お姉ちゃんはこの人達を大切にしている。
ならば、出来る限り私も大切にしたいとは思う。
それが出来るかできないかはまた別問題として、だけど
「まだ」
「ん?」
「まだ、あなたたちを受け入れることなんてできない……けど」
私に話しかけられたことが意外だったのか、少し驚いたようにこちらを見ているうらたぬきに、私はしっかりと視線を送る。
「慣れていきたい。お姉ちゃんの大切な人たちならなおさら」
言っていて恥ずかしい。
私が下を向いて恥ずかしさをごまかしていれば、頭にポンポンっと手を置かれた。
「ありがとう。やっぱお前、Aに似てるわ」
そっくりだな、と言いながら笑う彼にならお姉ちゃんを任せられる気がした。
***
次も、和ちゃんとうらたぬきさんの会話となります!
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なつの(プロフ) - ひよりさん» ありがとうございます!! そう言っていただけると自信が持てますー!実際はまだまだなんですけどね笑 コメントありがとうございます! (2019年3月5日 23時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
ひより - この話とっても面白いです!更新楽しみにしているので、これからも頑張ってください!!! (2019年3月4日 22時) (レス) id: 4600ab77d3 (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - コメントありがとうございますー!!和ちゃんと坂田さんは書いていて作者も楽しいです笑 2人の展開も楽しみにしていただけたら嬉しいです! (2019年3月2日 22時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 今までこっそり見させて頂いておりました!和ちゃんと坂田さんの絡み大好きです、もっとイチャイチャして!(笑)これからも無理せず更新頑張ってください!! (2019年3月2日 20時) (レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - ありがとうございますー!!コメントすっごく嬉しいです!だこれからの展開もぜひぜひ楽しんでください^ - ^ (2019年3月2日 20時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつの | 作成日時:2019年1月13日 11時