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8話 ページ8

「俺がAちゃんを奪ってもええですか?」


なんて非現実的なのだろう。


まさか、さかたさんと同じグループの人からそんなことを言われるなんて。


驚きのあまりなにも言葉を発することができずにいる私を、真剣な瞳で見つめてるくるセンラさん。


「やっぱ驚きますよね。突然こんなん言ったら」


「…冗談ですよね」


「冗談ちゃいますよ。俺は本気で言ってます」


「私にはさかたさんがいます」


「そのさかたさんに今は泣かされてるんやろ?」


あーいえばこー言うとはまさにこの事。


少しでも諦めてもらう口実を作ろうと口を開けば、全て言い返されてしまう。


「…私が勝手に泣いてるだけで、さかたさんは関係ないです」


絞り出した言葉に大きなため息をもらった。
そして両手で頬を包まれ上を向かされる。


「理由はどうあれ、俺はAちゃんが泣いているのは嫌です。
俺やったら絶対に泣かせたりせえへん」


なんで。
なんでセンラさんがこんなに辛そうな顔をするの
まるで自分が辛い思いをしてる…みたいな


「わ、たしは…私は」


私は、どうなんだろう。
その後の言葉が浮かばない。


「…すみません」


包まれていた頬の両手がゆっくり降ろされて、センラさんは微笑んだ。


「答えを焦って求めすぎました。ゆっくりでええです。だから」


俺のことも考えてください


頭の芯にまで響き渡るその声に逆らうことはできずに頷く。


「じゃあ、今日はいろいろすみませんでした。
ゆっくり休んだってください。…それとこれ」


労いの言葉とともに渡されたのは数字が並ぶ厚紙。


「俺の名刺です。裏に俺の電話番号書いといたんで、辛くなったりしてはけ口がないときにでも使ってください」


「はけ口って…。でもありがとうございます」


それを受け取り車を降りると、センラさんは玄関の方を指差す。


早く入れってことか。
本当にこの人は気遣い上手だ。


結局、完全に家に入ってからセンラさんは帰って行った。


1人になっても先ほどセンラさんから言われた言葉は現実を帯びることはなく、おかえりの言葉も聞こえないことがただただ寂しかった。


***


なつのです。


なかなかに暗くなってますね笑

中途半端な感じできれてしまってすみません。

最初の方で言い忘れていましたが、長編になる予定です!

そして、なんども言いますが、自分の作品がどの程度なのか知りたいので評価をお願いします!!

それでは、引き続きお楽しみください!

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なつの(プロフ) - 闇雲さん» ありがとうございます!最近時間が取れず、ここまで更新が長引いてしまいました。やはりコメントの力はすごいですね!かなり元気付けられました!本当にコメントありがとうございます!! (2019年5月14日 7時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
闇雲 - ヤバイですね!!もう、心臓がバックバクで、今にも張り裂けそうな感じがします!!凄いいい話だと思います!!更新頑張って下さい☆期待してます!! (2019年5月14日 1時) (レス) id: a89d1b894b (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - やさん» ありがとうございます! 浮気ものは思っていたより難しく感じていたので、そう言っていただけると嬉しいです!これからも更新頑張ります!!! (2019年1月17日 18時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして!坂田さんの浮気の理由とか、センラさんのつけこみ方とか全てが本当に大好きで、、!この作品とても楽しみにしています!今後の更新待っています! (2019年1月17日 9時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - 紅葵さん» ありがとうございます!こちらの作品は更新がかなり遅れていますが、必ず更新しますので待っていただければ幸いです。ありがとうございます! (2019年1月9日 20時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつの | 作成日時:2018年12月15日 15時

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