47話 ページ49
そう言うと坂田は片手で前髪をクシャッとした。
悔しそうにするその姿は、今の俺には怒りを煽る要因でしかない。
「ほんま自分が一番辛いみたいな顔するんやね」
「辛いねん。
別れたなかったのにこんなんなって……。
悔しいし辛いしで俺もうどうすれば」
「よく言えはったな……浮気してたんは自分やろ」
その一言で坂田の表情が凍った。
坂田だけじゃなくてうらたさんと志麻くんまでもが顔を強張らせている。
ここでやめたほうがいい。
坂田だって十分わかってる。
……けど、坂田に今、Aちゃんの本音を打ち明けられるのは俺しかいないのだって事実だ。
彼女は優しいから、きっと本音を言わない。
それはきっと誰も傷つけないのだろう。
けれど、言わなきゃ伝わらないこともある。
「お前が浮気してたんはAちゃんの後輩やで。
Aちゃんが夜遅く帰るんはだいたいそいつのせいやったし、家に帰ったところでお前いなかったんやて？」
「こう、はい……？美琴ちゃんが、Aちゃんの……？俺、そんなん知らんかった……」
「知ってたかどうかなんてどうでもええねん。
浮気すること自体がおかしいやろ。
香水もペアのアクセもAちゃんに見せびらかして、そんなん傷つかないわけないやん。
彼女をそれで泣いてたんよ。
1人でずっと、目がはれるまで」
坂田の目から雫が伝う。
それを見てたら無性に腹が立った。
その何十倍も彼女は泣いたのに
「気づいてへんかったやろ？
楽しそうやったもんなぁ、岩崎と遊んで。
あの家に帰ってきたんも申し訳程度やろ？そのおかげでAちゃんはお前から離れられなくなってん。
罪悪感消すために優しい言葉かけて、惑わせて
ほんまに彼氏って言えたんか？」
最後の言葉が坂田には一番きいたらしい、その場にくずおれた。
「俺やって……俺やって必死やった。
香水もアクセもわざとやった。
少しでもAちゃんにヤキモチやいて欲しくて、甘えて欲しかっただけやったんよ」
「はっ。くだらん理由やな。
そんなんで彼女泣かすなんてお門違いもええとこやわ」
坂田はただひたすらに呆然とし、年上2人は驚いたように動かない。
そんな空気を読むことなんてするはずのないスタッフさんの声でリハは再開。
もちろん雰囲気は最悪で、空気を読んだのかうらたさんも志麻くんも俺と坂田に声をかけることはしなかった。
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なつの(プロフ) - 闇雲さん» ありがとうございます！最近時間が取れず、ここまで更新が長引いてしまいました。やはりコメントの力はすごいですね！かなり元気付けられました！本当にコメントありがとうございます！！ (2019年5月14日 7時) (
レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
闇雲 - ヤバイですね！！もう、心臓がバックバクで、今にも張り裂けそうな感じがします！！凄いいい話だと思います！！更新頑張って下さい☆期待してます！！ (2019年5月14日 1時) (レス) id: a89d1b894b (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - やさん» ありがとうございます！ 浮気ものは思っていたより難しく感じていたので、そう言っていただけると嬉しいです！これからも更新頑張ります！！！ (2019年1月17日 18時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして！坂田さんの浮気の理由とか、センラさんのつけこみ方とか全てが本当に大好きで、、！この作品とても楽しみにしています！今後の更新待っています！ (2019年1月17日 9時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - 紅葵さん» ありがとうございます！こちらの作品は更新がかなり遅れていますが、必ず更新しますので待っていただければ幸いです。ありがとうございます！ (2019年1月9日 20時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2018年12月15日 15時
