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37話 ページ38

「どうして…」


「え?」


もう無理だ
涙をこらえるので精一杯で、頭が回らない。


こんなにも坂田さんが好きで、だから浮気にも目を向けられずに逸らして…
けれど私が好きでいる間に、私は坂田さんに疑われていた。
私の好意までも信じてもらえていなかった。


「どうして信じてくれないの?」


いつもよりもずっとずっと低い声が出てしまった。
それに驚いたのか、腕を掴んでいた彼の力がゆるまり、そして私はその手を振り払う。


「Aちゃ」


「もう嫌です!どうしてっ、どうして信じてくれないんですか。
坂田さんからも浮気にからも目を背けたのは事実で隠しようなんてありません。
だけど、この気持ちに偽りなんてなかった!
どんなことがあってもあなたの事しか見ていなかったのに……!!なんで、んんっ」


気づけば大声を出していて、涙で顔が濡れていた。


きっと言葉は止まらなかっただろう。
坂田さんがキスで私の口を塞いでくれなかったら。


「はっ。ごめん」


冷静になった私の耳に飛び込んでくるとびきり甘い、坂田さんの声。
比較的近い距離にある彼の顔を見れば、なにか吹っ切れたような顔をしていた。


「気持ちを疑うことをしたかったわけやない。
ただのヤキモチやったんよ。それがAちゃんのこと傷つけてるなんて思わへんかった」


サラサラと髪を撫でられながら、なだめるように話す坂田さん。
その様子が付き合ったばかりの頃を思い出させて、胸がきゅうっとなった。


あぁ、今なら。
今なら戻れるかもしれない。楽しかったあの頃に


「俺はやっぱり泣き顔よりAちゃんの笑顔が見たいんよ。やっぱそれができるのなんて1つしかあらへんもんなぁ」


撫でていた手を止めて、とっても優しい顔で微笑む坂田さん。
けれどその目は涙で潤んでいた。



「別れよう」



そして彼は甘い優しい声で言葉を紡いだ。

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なつの(プロフ) - 闇雲さん» ありがとうございます!最近時間が取れず、ここまで更新が長引いてしまいました。やはりコメントの力はすごいですね!かなり元気付けられました!本当にコメントありがとうございます!! (2019年5月14日 7時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
闇雲 - ヤバイですね!!もう、心臓がバックバクで、今にも張り裂けそうな感じがします!!凄いいい話だと思います!!更新頑張って下さい☆期待してます!! (2019年5月14日 1時) (レス) id: a89d1b894b (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - やさん» ありがとうございます! 浮気ものは思っていたより難しく感じていたので、そう言っていただけると嬉しいです!これからも更新頑張ります!!! (2019年1月17日 18時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして!坂田さんの浮気の理由とか、センラさんのつけこみ方とか全てが本当に大好きで、、!この作品とても楽しみにしています!今後の更新待っています! (2019年1月17日 9時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - 紅葵さん» ありがとうございます!こちらの作品は更新がかなり遅れていますが、必ず更新しますので待っていただければ幸いです。ありがとうございます! (2019年1月9日 20時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつの | 作成日時:2018年12月15日 15時

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