35話 ページ36
坂田サイド
やっぱり俺じゃダメやったんやろか
美琴ちゃんは結局、気が済んだのかじゃあね、と言って帰って行った。
けれど、俺はその場からしばらく動くことなんてできなくて固まったままでいた。
見てしまったんだ。
美琴ちゃんにキスされたあの瞬間、確実にA
ちゃんがいたことも、センラがAちゃんを連れて行ったことも
「…振り向いてくれもええやんかぁ」
俺は顔を歪めて声を震わせた。
手から血が出るんじゃないかと思うくらい握って、走り出した。
こんな事をしていてもなにも始まらない。
今はAちゃんと面と向かわなきゃダメだ。
彼女は案外すぐ近くのベンチに座っていた。
その隣にはセンラもいる。
なんで、いつもいつもセンラなん？
もっと他のやつおるやろ
「Aちゃ…⁉」
名前を呼べばきっと彼女は振り向いてくれる。
そう信じて名前を呼ぼうとすれば、最後まで声が続かなかった。
だって、2人が抱き合っていたから。
センラが引き寄せたならまだ怒りが生まれていた。
けど、そうじゃないから。
今のはAちゃんから抱きついたから、俺はもうなにも言えない。
「……俺はどないしたらええんやろか」
とんでもない事をした
今思っても仕方がないことで、どうしようもないことで
だけど、どうにかしたくて
気づけば俺の頬には涙が伝っていた。
そんなことも気にかけていられないほど目の前の景色は衝撃的で足が動かない。
見たくない
こんなもん、今すぐなくなればええのに
目の前の景色を心の底から呪う。
無くなれ、消えろ、なんていつもとは想像もつかないくらいの暴言だ。
しばらく俺は動けなかったが、いつのまにか足は動くようになっていた。
俺はその景色を見ていたくなくて、静かに歩き出した。
自分の頬に涙がたくさん伝っていることなんて、俺にはどうでもいいことだった。
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なつの(プロフ) - 闇雲さん» ありがとうございます！最近時間が取れず、ここまで更新が長引いてしまいました。やはりコメントの力はすごいですね！かなり元気付けられました！本当にコメントありがとうございます！！ (2019年5月14日 7時) (
レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
闇雲 - ヤバイですね！！もう、心臓がバックバクで、今にも張り裂けそうな感じがします！！凄いいい話だと思います！！更新頑張って下さい☆期待してます！！ (2019年5月14日 1時) (レス) id: a89d1b894b (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - やさん» ありがとうございます！ 浮気ものは思っていたより難しく感じていたので、そう言っていただけると嬉しいです！これからも更新頑張ります！！！ (2019年1月17日 18時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
や(プロフ) - はじめまして！坂田さんの浮気の理由とか、センラさんのつけこみ方とか全てが本当に大好きで、、！この作品とても楽しみにしています！今後の更新待っています！ (2019年1月17日 9時) (レス) id: 8d18ba62e8 (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - 紅葵さん» ありがとうございます！こちらの作品は更新がかなり遅れていますが、必ず更新しますので待っていただければ幸いです。ありがとうございます！ (2019年1月9日 20時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2018年12月15日 15時
