【あほの坂田】あなたを好きでいたかった【センラ】

31話 ページ32

坂田サイド


「早くAに会いたいんやけどなぁ」


置き手紙をして数日。
俺はホテルに泊まっていた。
もちろん1人。
もう彼女を裏切るようなことはしないと誓ったため、彼女以外の女の子にちょっかい出すことなんてしたくない。


「けど、けじめはちゃんとせなあかんよね」


美琴ちゃんとの関係を断ち切る。
もちろんどんな罵声も制裁もすべて受けるつもりでいた。


しかし、予定が合わずここまで引っ張ってしまった。
今日やっと美琴ちゃんと話ができる。


「てか遅いなぁ。そんな仕事忙しいんやろか」


メールでは《8時に公園で。待ってるね》と送られてきていた。
それから30分はたっている。
まぁ少し待つくらいならええんやけどね。


「お待たせ！」


「美琴ちゃん。お仕事お疲れ」


「本当に〜！もうクタクタだよぉ」


相変わらず甘ったるい声。可愛らしい容姿。
以前はあんなに惹かれたそれも今は少しも魅力を感じなくなっていた。
俺もひどいやつだな、なんて自分で苦笑してしまう。


「それで？話ってなぁに？」


なにも察していないのかニコッと笑う美琴ちゃん。
今から言う言葉を彼女は受け入れてくれるのだろうか。


「…美琴ちゃん。終わりにしよう」


しっかり目を見て告げれば涙目になる彼女。
なにか言葉を発するために唇が震えている。


「本当にごめん。俺はどんな罰でもうけっ…ん！」


言葉を最後まで言い切る前に唇に触れる感触。


どうやら俺は美琴ちゃんにキスされたらしい。


「ちょっと！なにするん！」


彼女の方を引き剥がしてその顔を見れば、くらい笑顔をたたえていた。







「彼女さんと仲良くしてくださいね♡








もう無理だろうけど」

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