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うらたぬきサイド ページ8

うらたぬきサイド


「うらたくんに黙って行っちゃう?」


俺がAのおやつを買って帰ってきた頃、リビングでそらるさんがAに向かってそんなことを言っていた。


(は⁉)


俺はじろっとそらるさんを睨む。
この人、俺が帰ってきたって分かったから言ったな。


案の定、面白そうに俺に目を寄越すそらるさんにイラつく。


Aはなんて答えるだろう。


試しているわけではないが、さすがに気になる。
わっくんに心配かけたくないので、って言ってくれたらいいけど


俺はじっとAを見る。
後ろ姿でどんな表情をしているかは分からなかったけれど、俺はアイツの彼氏だからさ、わかんだよね。


「行きましょう!!」


「行くなっつの」


俺はAの頭に手刀を決める。


いうと思ったよ。いうと思ったけどさ


(即答するか普通!!)


俺はAを自身の体で拘束し、そらるさんと話す。


本当にこの人侮れない。
隙あらばAを狙うのやめて欲しいんだけど!



「ははっ!ごめんって。
じゃあ、俺帰るね。またね?A」


そう言ってAの頭を撫でて帰るそらるさん。
無駄にスキンシップが多いとは思っているけど、こいつを可愛がってくれるのは正直嬉しかった。


さて、と


「あのさ、そらるさんと2人で遊ぶのも、地元に帰るのもいいよ」


こいつにちゃんと言い聞かせなきゃいけない。
男と2人で出かけることの意味。


本当は俺以外の誰かと遊ばせるのなんて嫌だ。
俺の知らないところで何かあったらって気が気じゃないし、俺の知らない顔を他の奴に見せてるかもしれないって思うと嫉妬がふつふつと湧き上がる。


だけどそれでAを縛っていたくないし、恵まれていることにこいつの周りの男はみんな優しく、妹のように扱ってくれるからまだ安心できる。


俺の話をもぐもぐと口を動かしながら聞くA
を見て、俺は自分に笑ってしまった。


話聞いてないのに返事するし、人の話聞きながらものを食べたりするけど、俺はどうしようもなくこいつが好きだ。


(だから絶対別れないからな)


今はケーキで忘れてるみたいだけど。


すると突然はっとするA。
俺は嫌な予感がした。


「私、わっくんと別れるんだった!」


……こいつ、いつになったらこれ言わなくなるの?

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なつの(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます!拙い文章ですが楽しんでいただけたようでとても嬉しいです! (2021年1月12日 8時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - めっちゃ泣きました!!!文才が…もう…(語彙力) (2021年1月11日 22時) (レス) id: 178b398402 (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - 刹那@pdaoさん» コメントありがとうございます!そうでしたか!楽しんでいただけて何よりです。後進の方も頑張っていきたいと思いますので、これからもぜひお楽しみください! (2020年7月17日 22時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
刹那@pdao - もうすでに布団がびしゃびしゃになりました(www)こういう類いのお話すごいすきなんです!ありがとうございます!ごちそうさまです!更新頑張ってください!!! (2020年7月12日 22時) (レス) id: 3de1e2bdfb (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - WAIHA,AIRA:さん» ありがとうございます!これからも頑張っていきたいと思います!更新、ぜひ楽しみにしていてください! (2020年4月28日 7時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつの | 作成日時:2020年4月12日 16時

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