たぬきと絶対わかれてやる！！【うらたぬき】

千景サイド ページ26

姉さん大丈夫かな。


駅で新幹線を待つ間、考えることはそれだけ。


姉さんがさっき言っていたことは、間違ってなんていなかった。


普段あほな姉さんだけど、考えることはしっかり考えている人だ。
だから次期当主に選ばれる。


五百旗頭家の当主としての資格は『広い視野・日本芸術の腕前・周りへの気遣い』。
姉さんはそのどれもを持っている。


本来、次期当主になるのは男だが今回は時期が悪かった。


本家の次期当主を決める時期と被ってしまったため、僕がそちらに行くことになり、必然的に姉さんが五百旗頭家を継ぐことになる。


(うらたさんならきっと受け入れてくれるよ、姉さん)


あれだけ姉さんを大切にしている人だ。
どんなに難しいことでも挑戦して乗り越えていくはずなのに


(うらたさん、姉さんを助けてよ。
このままじゃ、姉さんが幸せになれる道なんて)



ぎりっと奥歯を噛み締める。


なぜ最近になって、姉さんがうらたさんと別れたがっていたのか。


ーそろそろ本家から見合いの話が上がるからだ



通常、結婚相手は当主が選べるが、姉さんはうらたさんを指名しなかった。
となれば、必然的に本家から挙げられた男の中から選ばなければいけない。


けれどそれは


(姉さんの幸せじゃないだろ……！)


あれだけうらたさんが好きなのに、よく知らない男と結婚して家を継ぐ？


そんなの閉じ込められて仕事を押し付けられているのと変わらないだろ……！


(うらたさん、)


姉さんを幸せにしてくれるよね。


姉さんを手放さないでいてくれるよね？


僕はそう心で呟いた。


今自分ができることは、うらたさんと姉さんを信じることだけだ。



＊＊＊

ちょっと難しいかもしれないですね……


そして作者はあまり名家などの世界に詳しくないので、違和感を感じる点もあるかもしれませんが温かい目で見てください笑

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