たぬきと絶対わかれてやる！！【うらたぬき】

Day 6 ページ18

「姉さん、起きて」


「ん……あぇ……？ちぃくん」


「おはよ」


なんでいるんだろ。
ちぃくんは宮城にいるんだよね？


首を傾げていると、それを察したのかちぃくんは柔らかく笑いながら教えてくれた。


「昨日からお世話になってるんだよ？忘れちゃった？」


「あ！そーだ！」


「ねぇ、姉さん。やっぱり僕、姉さんの部屋で寝ちゃダメ？」


「え？」


上目遣いに可愛い弟からそんなことを言われては否定することなんてできない。
けれど私の一つの心配は


「わっくんに聞いてみるね！」


「うらたさんなら、快く良いよって言って」


「ねえだろうがど変態シスコン野郎」


「あ！わっくんおはよう！」


何やらばちばちと目で争っている2人を見ながらわっくんにそう言うと、彼はにこっと笑った。


「おはよ。千景と同じ部屋にはさせないから安心しろ」


「え？私は良いよ？」


「うらたさん何考えてるの？姉さんを変態から救うために僕は同じ部屋にしようとしてるんだけど」


「2人で見てくんなよ……でも千景は俺の部屋」


そう言ってわっくんはちぃくんを回収して行った。
その時のちぃくんの目が虚だったのが少し気になるけど……。


私は急いで着替えてリビングに行くとすでに朝ごはんはできていて、わっくんに椅子に座らせられる。


「よし！いただきます！」


さすがわっくん！ご飯が全部美味しい！


もぐもぐと食べていると、わっくんが笑いながら私に手を近づける。


「ふはっ！口について「姉さん、口についてるよ」」


「はぇ？ちぃくんありがと！」


わっくんの言葉を遮りながら私の口を拭ってくれるちぃくん。
私いっつもちぃくんにお世話されてるなぁ。


「……さすがシスコン」


「行動の遅い間抜けな彼氏さんはやきもちでも焼いているんですか？」


「わっくん誰に焼きもち焼いてるの？」


「「A/姉さんは、黙ってようね」」


ひどい！！
私は少し涙目になりながら朝ごはんを食べた。

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