Day 4 ページ11
「ちぃくん、そらるさん！お待たせ！……あれ？」
顔だけリビングに覗かせると、ちぃくん1人がお茶を飲んでいた。
「そらるさんならお帰りになったよ」
急用だって、と言うちぃくんは相変わらずかっこいい。
私の弟じゃもったいない！！
「えー、そんなこと言ってなかったのに」
「スマホ見て慌ててたから、誰かから連絡があったのかもね……はい、姉さん」
私が席に着くとお茶を出してくれるちぃくん。
よくできた弟だなぁとしみじみ感じながら、お茶に口をつけた。
「それでさ、姉さん」
私の買ってきたお土産を器用に分けながら、ちぃくんは口を開いた。
「父さんと母さんには会わないの？」
「うっ……だって会ったら大変だもん」
私だって会いたくないわけじゃない。
むしろ会いたい！！
くすくすと笑うちぃくんを軽く睨むと、優しく微笑まれた。
「だから2人がいない時間にかえってくるんだよね？
家出したこと何か言われると思って」
「ちぃくんはどう思ってるの？」
何を隠そう、私はこの家を３年前に家出している。
当時のちぃくんは面白そうに笑って私を見送ってくれたのを覚えている。
「僕は姉さんが楽しそうならそれでいいよ」
「あははっ！相変わらずちぃくんは優しいなぁ」
「姉さんだからだけどね」
えー？と言うと、私の横に膝をつけるちぃくん。
頬を撫でられ、目線を合わせられた。
「姉さん」
「ちぃくん……？」
「はい！」
「むぐっ！」
突然口に物を詰め込まれ、困惑する。
わ！甘い！おいしい！
「ちぃくん、これおいひい！」
「姉さんが好きだと思って買ってきたんだ」
気に入ってもらえてよかった、と言うちぃくん。
こんな気遣いできるなんてさすが！！
私はふと時計を見て焦った。
ちぃくんもそれを察したのか私の荷物を取った。
「ちぃくん！部屋に行くね！お父さんたち帰ってきちゃうから」
「うん、階段気をつけてね」
私が階段を登ろうとすると、玄関の扉を開く音。
私はドキッとした。
だってこの家、階段の前が玄関になってるんだもん。
「……A？」
「お、お父さん……お帰り……？」
しっかりと目があってしまっている和服の男の人を見て、私は固まってしまった。
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なつの(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます！拙い文章ですが楽しんでいただけたようでとても嬉しいです！ (2021年1月12日 8時) (
レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - めっちゃ泣きました!!!文才が…もう…（語彙力） (2021年1月11日 22時) (レス) id: 178b398402 (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - 刹那@pdaoさん» コメントありがとうございます！そうでしたか！楽しんでいただけて何よりです。後進の方も頑張っていきたいと思いますので、これからもぜひお楽しみください！ (2020年7月17日 22時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
刹那@pdao - もうすでに布団がびしゃびしゃになりました(www)こういう類いのお話すごいすきなんです！ありがとうございます！ごちそうさまです！更新頑張ってください！！！ (2020年7月12日 22時) (レス) id: 3de1e2bdfb (このIDを非表示/違反報告)
なつの(プロフ) - WAIHA，AIRA:さん» ありがとうございます！これからも頑張っていきたいと思います！更新、ぜひ楽しみにしていてください！ (2020年4月28日 7時) (レス) id: 1923d39783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつの | 作成日時：2020年4月12日 16時
