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『また、会おうね』
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ころんside
『ッッあー、またこの夢…』
この夢を見たのは今日で何回目だろうか。
幼い子六人皆で集まって、いつも同じ言葉、
『また会おうね』 を繰り返すのだ。
この夢は僕の心のなにを現しているのか。
もし、なんでも調べられるカラクリが在るのなら、一番先に調べることだろう。
『ご飯…』
確か、麦米しか残っていなかった。
新しい食材を買いに行かなければ。
水色の着物に着替え、下駄を履く。
ガラガラッと引き戸を開け、外に出れば町人皆異常な人を見る目で見てくる。
慣れた。
僕は、髪色、瞳の色が水色だから皆が皆、変な目で見てくるんだ。
おばあちゃんがそういう時はいつも慰めてくれてたけどもういない。
『取り合えず、野菜かなぁ』
青葉の野菜をまとめ買いし、布地も買っておく。
銭は減るが、あってもデメリットはない。
「おおっ、兄ちゃん。また買い物かい?」
『うん。取り合えずね。』
髭がごわっと生えている市街のおいちゃん。
いつも声を掛けてくれて明るい人だ。
「そういや、昨日連れからもらってなぁ」
そう言っておいちゃんが取り出した、一枚の紙。
《男遊郭》そうかかれてあった。
『…なぁに、これ…』
「名前通り、男の遊郭だ。俺は妻一筋なもんでなぁ。
いらねぇんだよ」
『…や、僕、ゲイじゃないし、』
「まぁ取り合えず貰ってくれや」
『…はぁ?男の僕がこの遊郭に行ったら変な目で見られるに決まってるでしょ!』
「…?いや、結構男も通ってるらしいぞ」
『…おぇっ』
目眩がしてくる。
僕は、可愛い女の子が好き。
うん。
「ま、貰っとけ。なんかいい出会いがあるかもな!」
『いらないって!』
殆ど無理矢理だが、握らされた一つのチケット。
本当にいらない。
『…はぁ、変なもの貰っちゃったぁ、』
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Rou - めっちゃ面白いです!続き待ってます! (7月28日 9時) (レス) @page9 id: e81d0aeadd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃご。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ef43d159165/
作成日時:2022年11月13日 20時