文豪ストレイドッグスを浄化せよ! (ページ34)

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三十二話ページ34

太宰(先)視点。

Aはよく、生前に『大丈夫！』と笑顔で言っていた。

だけど、それは本当の笑顔じゃない。

道化,,,,と言えば良いのだろうか。

周りに合わせて、自分を偽る。

生前、何故道化をするのか聞いたことがあった。

『だって、自分を偽って自分に嘘をついてい方が楽だもん,,,,。皆の望む自分を演じれば、嫌われなくてすむから,,,,』

その言葉が頭から離れなかった。

俺は自分の最後の求愛のために道化をしていた。

『人間失格』を書き、大庭葉蔵という人物に俺の人生を重ねた。

Aが嘘の笑顔をするときは決まって助けを求めているときだ,,,,苦しんでいるときだ。

Aは、頭が良かっただけだ。

東大に入れたのも持ち前の頭脳と努力のおかげだ。

まぁ、4歳の時に『罪と罰』を読んでたって聞いた時はビックリしたけど,,,,。

そのせいで大学生の時は色々思い悩んだ挙げ句、何度か自殺未遂を繰り返してたらしい。

その人並み外れた頭脳が、Aの人生を狂わせたのだろう。

転生して、いつかAの自伝小説『罪を犯した21年間』を清書したときを思い出した。

あれは,,,,断言できる。人間失格より危険な状態だった。

「本当に,,,,Aは今も昔も優しい子だったな～」

オダサク「太宰クン、なに当たり前なことゆーとんねん」

坂口(先)「さっきの言い方だとA死んでしまったことになるぞ」

檀(先)「Aの優しさに付け込む不毛な輩が現れるかもしれんな」

オダサク「てか太宰クン、Aのこと好きなん？」

「なっ！？そそそそんな訳ないからな！」

ビックリし過ぎて噛みすぎた。

オダサクは「ふ～ん,,,,そ～なんや～」ってニヤニヤしながら俺を見てくる。

坂口(先)「ライバルが増えたな,,,,」

檀(先)「今のところ無頼派全員ってことか」

ん？

「全員,,,,？」

オダサク「せやで？」

坂口(先)「太宰のことも分かったことだし、Aが帰ってきたら特製安吾鍋を作ってやろう。まずは,,,,食料調達だな！」

そんなことを言いながら、安吾は買い物へ行った。

オダサク「特製安吾鍋って,,,,いつも特製やん」

「今回は変な物入れないでほしい」

檀(先)「前回の鍋でA、気絶したんだってな。その時は清書中だったから詳しくは知らないが,,,,」

オダサク「ほんまに前回のはシャレにならんで。森センセ呼んだぐらいやし,,,,」

オダサクはすっと顔を背けた。

A、絶対に俺らが守るからもう１人で抱え込むなよ。