赤葦の可愛い幼馴染み【HQ】

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「あかーし！トスくれ！」


「すみません木兎さん、今日は用事が…」


「自主練しないんです、か」


「もう結構待ってるよね」


「…先輩の、バレーしてる姿、見たいなーって」


「……」


「雛乃！わかってるじゃねぇか！」


「少しだけですよ」









「ごめん、待たせたよね」


「久しぶりに先輩のバレー見れて楽しかったです」


「A」


「……けーく、」


「やっぱり無理してた」



極度の人見知りのくせにそれを隠して仮面を被るのが上手い。

だが剥がれた時、精神的ダメージが強く出る。

普段は余りやらないようにしているが、今日は特別か。



「A」



名前を呼んで引き寄せる。
そして一定のリズムで頭を撫でると綺麗な瞳から涙が溢れてきた。



「けーく、」


「無理しなくていいのに」


「だって、」


「マネージャーどうだった？手伝ってみて」


「え、っと、楽しかった…」


「やってみたい？」


「足引っぱる」


「はい、入部決定」


「え？！」


あの、今私、『足引っぱるから辞めとく』って言おうとしたんですが！！


察しのいいけーくんならわかっているはず、


「なんで、今私否定の言葉」


「足引っぱる事を気にするって事は、
マネージャーやりたいけど…
って言うのを言外に肯定してるよ」


「今までロクに部活動やった事ないのに出来るわけっ！貧弱なのも貧血気味も治ってないんだよ？

あと、コミュ障……」


「……じゃあ、試しに仮入部だけでも取り敢えず」


タメシニ？トリアエズ？


「どうせ帰宅部でしょ、それにいい加減
コミュ障とかもろもろ治さないと
大学、社会人になってからAが困るよ」


「中学で死ぬ気で身に付けた仮面だけじゃダメですか」


「何時でも俺が助けられる訳じゃないから」


うぅ、けーくんの言う事は一応は正論だ。


まぁ、タメシニだし、トリアエズだし、


やるしかないのか……

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