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Nside
あー、Ｊが完全に呆れてる。
これは、…キレるな。
M｢なぁ、リーダー。前に自分が言ったこと覚えてねぇの？｣
Ｏ｢前？｣
あー、これはやばいやつだよ。
M｢今、目の前にあるものを頑張れないやつが、何頑張れんだって言ったのはどこのどいつだよ！見損なったよ、リーダー。｣
Ｏ｢うん、でも決めたことだから。｣
M｢は？ちょっと話が上手く進まないからって、諦めんなよ。カッコわりーよ、そんなん。｣
S｢松潤、そこら辺で…｣
M｢何？あんたそんな軽い気持ちで絵とか作品に向き合ってたの？へー、軽いっすね。俺は、どんなに話が滞ったとしても、コンサートの話、まるっきりなしにしたことないけどね。｣
A｢ちょ、言い過ぎだって。｣
Ｏ｢…お前に、｣
M｢あ？｣
Ｏ｢お前に、俺の何がわかるんだよ。｣
うわ、こっちもきれてる。
大野さんがほんとに怒る時は、怒鳴るとかそんなんじゃなくて、背筋が凍るような冷たい声で、囁くんだ。
Ｏ｢そんな軽い気持ちとか、何根拠に行ってんだよ。
俺だって、今まで粘って粘って、粘った末のこれなんだよ。
どんなに俺の絵を馬鹿にされても、どんなに嵐を貶されても、それでもファンの子たちのためと思ってここまで頑張ってきたんだよ。
……俺の努力は確かに無駄だったよ。今まで、我慢してきたこととか。
本当は開きたいよ、個展だって。
でも、一番…一番嵐のことを侮辱されることが嫌で嫌で。もう逃げ出したくて。
無視も出来ないくらい耐えられなくなったんだ。｣
N｢大野さん…。｣
本能的に、大野さんの手を握りたくなった。
今にも泣いてしまいそうなその、心を温めたかった。
Ｏ｢そんな、曖昧な気持ちで作った作品なんか、誰も見たくないでしょ？そんなんだったら、やらない方がマシでしょ？
だから、俺はそればっかりに囚われないで、本とかで出してもいいんじゃないかなって思ったの。
別に、その問題から目を逸らしたいとか、話が上手く進まないからとかそういうわけじゃないんだよ。
分かってくれるかな、この気持ち。
……じゃあ、俺仕事だし、もう行くね？｣
そう言い切ると、勢いよく部屋を飛び出してしまった。
N｢…ざけんなよ。どれだけあの人の心壊せば気が済むんだよ。仲間じゃないのかよ。何も考えずに出任せであの人傷つけんの、辞めてくれよ。｣
分かってる。Ｊが言いたかったことは。
分かってるんだ。
ごめんＪ。
俺もこの重い空気を残したまま部屋から出た。
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作者名：大宮ゆり | 作成日時：2019年3月28日 22時
